雪による立ち往生が発生中。クルマで動けなくなったらバッテリーや車内換気は大丈夫なのか?

EVはエアコン次第でバッテリーの減り方が変わる

電気自動車の電力残量テスト(写真:JAF)
電気自動車の電力残量テスト(写真:JAF)

 次は電気自動車の「電欠」について。ガソリン車の場合、アイドリングでは1時間あたり0.8~1リットル程度のガソリンを使うというが(普通車/エアコンオフの場合)、電気自動車の場合は、どのくらいでバッテリーが空になるのだろう。

 JAFでは前半のテストと同じ状況に4台の満充電した日産リーフを持ち込み、条件を変えてバッテリーの消費を調べている。条件設定は以下の通り。外気温はマイナス8.1度だった。

1)オートエアコンを25度に設定してつけっぱなし
2)エアコンは使わず電源ソケットに電気毛布を繋ぐ
3)エアコンは使わずシートヒーターを使用、併せて電源ソケットからフットヒーターを使用
4)毛布を身体に巻き、寒く感じたらエアコンON、寒くなくなったらOFF

 テスト結果だが、エアコンの使用がバッテリー残量に大きな影響を及ぼすこととなった。

 1)のエアコン常時使用がもっとも電力消費が大きく、テスト開始から8時間半でバッテリー残量が10%となりテスト終了となった。4)の「寒くなったらエアコンON」がそれに続き、13時間のテストには耐えられたものの、バッテリー残量は25%程度と心細いものだった。

 残る2)と3)についてはバッテリー消費がおだやかで、13時間経過後も50%以上の余裕を残していた。シートや足裏を直接温める局所暖房はバッテリー消費が少ないため、これと毛布や断熱シートなどを組み合わせて防寒対策とするのがベストと感じた。

 EVに乗っている人は、車内の空気全体を温めるエアコンが非常に大きなエネルギーを使うことは覚えておいたほうがいいだろう。

 とはいえエアコンを使わなかったスタッフは毛布や暖房器具でカバーできない部分の辛さを訴えており(窓ガラスは凍り付いてしまうようだ)、防寒では頭や肌をいかに露出させないかが重要だとも感じた。

 テストの結果をまとめると、エンジン車に乗っている人は、マフラーの雪詰まりによる有害ガスに注意すること。EVに乗っている人は、エアコンに頼らない防寒対策を考えることが重要のようだ。

 雪国に出かける際は燃料やバッテリーを満タンにして、荷室には除雪用スコップと防寒グッズを積んでおくのがいいだろう。

【画像ギャラリー】立ち往生には耐えられるのか!? JAFが行った雪中での電気自動車の各種テスト(5枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!