■先代プリウスにも採用で流行るかに思われたが……
中々のイノベーションぶりが際立ったテスラだったが、日本勢も負けてはいない! それが2017年2月にフルモデルチェンジしたトヨタ 先代プリウスPHVだ。
旧型(ZVW35型)の7インチに対し、トヨタ初となる11.6インチの“縦型”ディスプレイを持つ「T-Connectナビゲーションシステム」をグレード設定した。
旧型に搭載されていたテレマティス機能である「G-BOOK」は当時としては最新の「T-Connect」にシフトし、従来よりもスマホを使った遠隔確認・操作機能も充実。この機能自体はさらに進化しており現在のトヨタ&レクサス車にもシステムとして継承されている。
ここまで書いてわかるように、縦型ディスプレイを使うことで画面を上下に分割させることが可能。ナビ画面を上部に表示させながら「エアコン」「オーディオ」「エコ機能表示」などを同時に使うことができた。
もちろん、冒頭に触れたように縦型、さらに大画面なので交通状況の確認などは横型より縮尺を変更することなく容易に行えた。
また4代目プリウスに関しても2017年9月に発表した特別仕様車である「Aプレミアム“ツーリングセレクション・20th Anniversary Limited”にもこの11.6インチナビを特別装備している。
余談だが、筆者もこの機能にすっかり魅入られてしまい、後日ではあるが、このシステムを搭載したプリウスPHV(ZVW52型)を購入し現在も活用している。
全てが良いことだらけではないが、当時は「きっとこれからは縦型カーナビがトレンドになる」と思い込んでいた。
■一点新型プリウスは横型に!! トヨタ車から縦画面が消滅へ
しかし、そんな予想は見事にまで打ち砕かれた(悲しい)。フルモデルチェンジを行った新型プリウスには12.3インチのワイドディスプレイ(ディスプレイオーディオ)が設定されているが、ご承知の通り、こちらは「横型ワイド」である。
すでにトヨタ車やレクサス車でも「大画面化」自体は進んでいたが、縦型を採用したモデルは皆無に近い。未だ国産で現役なのはスバル レヴォーグや新型インプレッサシリーズなどの一部グレードとごくわずかである。
2018年8月にフルモデルチェンジを行った15代目クラウンの場合、インパネ上部に8インチ、その下に7インチといった2つの独立型ディスプレイを設定し、利便性を高めているが、実際これ自体はそれ程評価されず、2020年1月の一部改良時に廃止。12.3インチ横型ワイドディスプレイに変更となった。
■コストも視線移動のデカさも要因!? 覇権取れずに終わりそうなワケ
これに関しては諸説あるが、元々カーナビを含めたディスプレイはインパネ周辺のデザイン領域において「一等地」を独占する傾向が強い。
電装系の領域から見ると、ナビやオーディオだけでなく、エアコンなどの操作系、さらに外からは見えないエアコンのダクトなどの配置や効率を考えると、どのメーカーもデザイン部門と電装部門とは丁々発止のやりとりが行われることは日常茶飯事である。
旧型プリウスに関しては①コストがかかりすぎる(価格が高い)②視線移動が上から下へと大きくなる③ディスプレイオーディオへのシフト④ADAS機能やT-Connectの機能向上のタイミングと合わなかった、と分析している。
本来であれば、フルモデルチェンジのタイミングで良かったはずのインフォテイメントシステムも旧型プリウスPHVでは2021年6月の一部改良時に8インチのディスプレイオーディオに変更されていることからも、実はこのシステムは意外と短命であったこともわかる。
コメント
コメントの使い方テスラも横長ナビに戻ってるやないですか。
それが「答え」でしょう