■広い車内&運転しやすさも良し! おしゃれにお出かけするなら?
シトロエン・ベルランゴには、2列シートの標準ボディと、3列のロングがある。
ロングは全長が4770mm、全幅は1850mmで、少しワイドではあるが運転しやすい大きさだ。
後席側のドアはスライド式で乗降性も良い。2列目シートには前後のスライド機能が装着されない。
したがって前側に寄せて3列目の足元空間を広げることもできないが、身長170cmの大人6名が乗車したとき、2列目の膝先空間は握りコブシ2つ分、3列目にも1つ半の余裕がある。
3列目は床と座面の間隔が少なめで、膝は持ち上がるが、極端に窮屈な姿勢にはならない。
国産ミニバンに比べると、2列目にスライド機能を装着しないなどシートアレンジが乏しい。シートのサイズも小さめだが、腰の支え方は良好だ。
■個性あふれるベルランゴ! 豪華さよりも快適性を重視
従って座ったときの豪華さは国産ミニバンに負けるが、長距離を移動するときの疲労は少ない。同様のことが運転感覚にも当てはまり、走行安定性が高い。
そのうえで乗り心地を重視したから、危険を避けるときにはボディの上側は大きく揺り返すが、後輪の接地性は高く、挙動を乱しにくい。
ブレーキ性能も優れ、ミニバンである以前に欧州車であることを実感させる。
エンジンは直列4気筒1.5Lクリーンディーゼルターボだ。車両重量が重いためにパワフルではないが、実用回転域の駆動力が高いから運転しやすい。ディーゼルのノイズも小さく抑えた。
豪華さやシートアレンジを重視するなら、国産ミニバンを推奨するが、多人数で長距離を安心かつ快適に移動したいなら、シトロエン・ベルランゴも有力候補になる。
グレードはロングシャインブルーHDi(443万3000円)が割安だ。
■シトロエンと兄弟車だが一味違う! プジョーリフター
プジョーリフターは、シトロエン・ベルランゴの姉妹車に相当する。エンジンなどのメカニズム、車内の広さなどは基本的に共通だが、インパネのデザインは異なる。
シトロエン・ベルランゴのメーターは、ステアリングホイールの奥側に配置したオーソドックスなデザインだが、プジョー・リフターでは高い奥まった位置に備わる。
従ってステアリングホイールも、視認性を妨げないように楕円形にした。操舵感と乗り心地も異なり、シトロエンベルランゴは、前述のように足まわりをゆったりと伸縮させる。
プジョーリフターは、操舵感を少し機敏に仕上げた。グレードはロングGT(455万円)がベストだ。
■輸入ミニバンの魅力からわかった特徴と国産との違いとは
以上のように日本に輸入される欧州ブランドのミニバンは、シートの座り心地と、高速道路における直進安定性が優れている。
パワーユニットにはクリーンディーゼルターボが多い。いっぽう、国産ミニバンは、シートアレンジや豪華さに力を入れて、ハイブリッドを豊富に用意する。
この違いを生み出した根本的な理由は、日常的な走行速度の差だ。欧州は走行速度が高く、長距離を移動する機会も多いために、安全性に力を入れている。
国産は、ミニバンならではの使い勝手と、市街地走行での低燃費を重視する。
【画像ギャラリー】本文未掲載写真多数!! Vクラス ベルランゴ…輸入ミニバンを写真で詳しくチェック!(34枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方Vクラスは乗り心地、静粛性がもろ商用トラックだからなあ…。ところが、グランエースはハイエースをベースにしているのに、乗り心地がちゃんと高級乗用車になっていて感動した。静粛性もVクラスの比ではない優秀さ。トヨタの器用さがよく伝わる。セダンやワゴンは輸入車に軍配が上がるものも多いが、ミニバンに関して、正直輸入車は日本勢の相手にならない。
ということは、記事中の車種はトヨタとプジョー・シトロエンとの共同開発ですので優秀ということですね