■廃れたのは安全のため!? 考え方が真逆に!!
快適性に寄与するものであれば、現行車の多くに採用されていてもおかしくない穴あきヘッドレストだが、近年装着車はほとんど見ない状態となっている。
その理由として一番大きなものが、「アクティブヘッドレスト」の登場が挙げられる。
従来のヘッドレストは衝撃を受けたときに必要以上に頭が動かないようにするという、どちらかというと受け身なものであった。
だがアクティブヘッドレストは衝撃を感知するとヘッドレストが斜め上方に移動し、積極的に頭を受け止めに行くものに進化しているのだ。
そして積極的に頭を支えに行くためにはある程度しっかりした肉厚な構造が必要となるため。徐々に穴あきヘッドレストは姿を消していったということになる。
■ミニバン&SUVの台頭も要因だった!?
穴あきヘッドレストが姿を消したもう一つの理由がミニバンやSUVの台頭だろう。
穴あきヘッドレストは後席に座っても圧迫感を感じないようにという配慮のためにも使用されていた。
だが、近年主流のミニバンやSUVはそもそもの全高が高く、後席のヒップポイントが前席より高めになっていて最初から見晴らしがいいレイアウトを採用している車種も存在している。
そうなると後席の乗員はヘッドレストの上から外を見ることになるため、ヘッドレストに穴があろうとなかろうとほとんど影響しないようになってきているのだ。
なお余談ではあるが、GT-RやシビックタイプRなどのスポーツ系の車種にはシートバックに2つの穴が開いているシートを採用しているものが存在するが、これは穴あきヘッドレストの類ではなく、モータースポーツ用の4点式以上のシートベルト通すためのもの。
そのため穴の位置は乗員の肩辺りになるように、ヘッドレストよりも低い位置に穴が存在しているのである。
【画像ギャラリー】当たり前だった!? 穴あきヘッドレスト採用の懐かしのクルマたち(8枚)画像ギャラリー
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