運転脳の低下度をチェックしよう
運転脳が低下しているかどうかを早期に察知するには、普段の自分の運転を振り返ってみることに尽きる。もし下記のような変化がひとつでもあるようなら、以降で紹介するような生活習慣の改善に努めよう。
また、心身の疲労、ストレスも一時的ながら運転脳を低下させるため、異変を感じたら運転を控えて休息をとる、リラックスできる環境に身を置くなどの対処をしよう。
■急発進や急ブレーキ、急ハンドルなど、「急」のつく運転が増えた
■運転が乱暴になったといわれる
■カーブを曲がる時に膨らんだりすることが多くなった
■イライラすることが多くなった
■カーナビなど、今まで難なく使えていた装備の操作がスムーズにできないことが多くなってきた
■今までより運転後の疲労感が強くなった
■細い道を走ることが怖いと感じることが多くなった
■クルマを擦ることが多くなった
■車庫入れで切り返す回数が多くなった
■「ヒヤリ」とすることが多くなった
ここで紹介した項目のなかで心当たりがあるものが多く、より詳しくチェックしたいという人は「運転時認知障害早期発見チェックリスト30」で自己チェックしてみることをお薦めする。
スマートフォンは運転脳の衰えを加速させる!
食事中はもちろんのこと、入浴中に至るまでスマートフォンが手放せないというスマホ依存生活をしている人は多いはず。しかし、スマートフォンは脳の衰えを進行させることが医学的に明らかになっている。
スマートフォンを見続けると、脳の前頭前野という部位が疲労してしまうことがその原因。前頭前野とは、記憶や感情や行動のコントロールなど、人間が人間らしく、理性的に生きるために欠かせない高度な機能を司る部位。当然、運転パフォーマンスの維持には欠かせない部位だ。
ということで、運転中にスマートフォンを見るなんてもってのほか! 脳疲労が進行して、正常な判断ができなくなったり、感情が制御できなくなったりするおそれがある。
脳の衰えは食い止められる
脳の老化は仕方がないとあきらめる必要はない。ここでは、運転脳の衰えを防ぐ秘策を紹介していこう。
●スマートフォンを見ない時間をつくる
脳を守るという観点からいうと、1日2時間を限度とするのが理想だが、仕事で欠かせないツールとなっているため1日2時間なんて無理という人も多いはずだ。
そんな人は、食事の時、トイレに行く時、入浴時などにはスマートフォンは見ないようにするなど、できる限りスマートフォンから離れる時間をつくる努力を。
●歯の健康を保つ
噛むことは、顎、舌を動かすと同時に、味覚情報も処理しなくてはならないため、脳にとっては難易度の高い動作。噛むだけでもかなりの脳トレになるということだ。
虫歯や歯周病で硬いものが噛めなくなると、どんどん脳は衰えてしまう。
また、歯周病菌は脳の機能低下やアルツハイマー型認知症の発症に深く関わっていることが判明しているので、虫歯や歯周病は放置せずに治療しよう。
●嫌いな人とも付き合う
苦手な人とコミュニケーションをとる時は、相手の様子をうかがいながら、時にはおべっかを使ったり、うわべだけの言葉を並べたりしなくてはならない。これが脳を鍛えるうえでは非常に有効となる。
いっぽう、気心の知れた人といるのはラクではあるが、同時に脳も休息モードに。そのため、居心地の良い人とばかり付き合っていると脳は衰えていく。
●過度の飲酒を避ける
アルコールは脳の機能を低下させるとともに、アルコールを分解した時に発生する毒性の高い「アセドアルデヒド」という物質は、脳を萎縮させることがわかっている。
●しっかり眠る
睡眠不足は脳の機能を低下させる元凶。ただし、睡眠時間は長ければ長いほどいいというわけではない。眠りすぎも脳を疲れさせてしまうのだ。
適量といえる睡眠時間は7時間といわれている。寝不足の時には、お昼休みに10~15分程度仮眠をとるのがお薦め。
●毎日、コップ1杯の牛乳を
牛乳や乳製品に含まれる成分に脳機能改善や認知症予防効果が認められたという研究データが発表されている。飲む目安は1日コップ1杯(約200ml)くらい。
腸が不調であると脳の機能は低下することもわかっているため、腸の調子を整える効果のある牛乳や乳製品は運転脳の衰え防止に非常に有効な食品だ。
●脳の血の巡りを良くする
脳機能の低下は脳の血流量が減る=血の巡りが悪くなることも原因のひとつ。脳の血流を促すためには汗をじわじわとかくような軽い運動や入浴がお薦め。
脳は何歳になっても成長させることができるといわれている。歳だからとあきらめる必要はないのだ。より長く、安全に運転し続けるためにも、今日からでもここで紹介した7つの秘策を実践してほしい。
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