昨今、すべてのドライバーの財布を直撃しているのがガソリン価格の高騰。ならばいっそ価格が安い軽油を使うディーゼル車に乗り換えればいいのでは? という思いが頭をよぎるが、それってホントにお得なの……!?
文/井澤利昭、写真/トヨタ、マツダ、写真AC、FavCars.com
【画像ギャラリー】”ちょい古ディーゼル車”のメリット、デメリットとは?(8枚)画像ギャラリー■いつも気になるスタンドの店頭に掲げられた価格の差。軽油が安い理由とは?
ガソリンスタンドでの給油のたびに目に入る店頭の価格表示。ハイオク、レギュラーといったガソリンの価格と並んでついつい気になってしまうのが、ディーゼル車のために用意されている軽油の安さだ。
燃料費高騰の波を受け、軽油の価格も以前よりはずいぶん高くなってはいるが、それでもレギュラーガソリンと比較して1リッターあたり20~30円程度安いのが一般的。
この価格差の理由はズバリ、ガソリンと軽油それぞれにかかる税金の差によるものだ。
ガソリンには1リッターあたり48円60銭の揮発油税と5円20銭の地方揮発油税という2つの税金、俗にいうところの「ガソリン税」が加算されている。これに対し、軽油には32円10銭の軽油取引税が加算されるのみ。
ガソリン税にはさらに消費税が上乗せされる、いわゆる二重課税の状態となっているが、軽油は本体のみが課税対象なので、その価格差はさらに広がることになる。
1リッターあたり20~30円というわずかな差とはいえ、走れば走るほど燃料代の差はどんどん大きくなっていくだけに、こと燃料代に限っていえばガソリン車よりもディーゼル車のほうが経済的には有利に感じられる。
とはいえクルマの維持費はもちろん燃料費だけではない。実際の購入前には、燃費や税金、リセール価格など、それぞれのメリット・デメリットを比較して、ガソリン車とディーゼル車、どちらがお得かを考えることが重要だ。
■燃費もガソリン車よりも良好! 軽油を使用するディーゼル車のメリット
かつては黒い煙と騒音をまき散らしながら走る姿にあまりいいイメージを持たれなかったディーゼル車だが、ヨーロッパを中心に普及が進んだクリーンディーゼル車の台頭で、近年は国内でも見かけることが多い。
ディーゼル車のメリットは先ほどからも述べているとおり、その燃料である軽油の安さにほかならないが、ガソリン車と比べて燃費が良い点も大きな魅力のひとつ。
同一車種でガソリンとディーゼルの両モデルが用意されるMAZDA2のカタログ燃費を比較すると、JC08モードでの燃費は、ガソリンモデルが21.8km/Lであるいっぽう、ディーゼルモデルでは24.2km/Lと、思った以上の差がある。
また同クラスのガソリン車と比較してパワフルな点もディーゼル車の特徴。トルクが大きいため、高速道路への進入や急な坂道、重い荷物を積んだ状態でも、アクセルをあまり踏み込むことなく楽々と加速していく頼もしい走りを見せてくれる。
加えて対象となるクリーンディーゼル車であれば、新車購入時に税制面でのメリット受けられるいわゆるエコカー減税にも対応しており、重量税の免税や自動車税の非課税対象となる場合も。
ただしこちらの優遇措置を受けるには、2023年12月31日までに新規登録を済ませる必要があり、2024年1月1日以降は、ガソリン車と同じく燃費性能に応じた免税や軽減率が適用されることとなる。
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