■ディーゼルトラックと違和感ない仕事場
そのエルフEVの走りは、いうまでもなく静粛にしてトルクフル、そして快速だが、意外にも強烈な印象を与えるものではなく、ディーゼルISIM車をもっとスムーズにした感じである。
これは、モーターの動力性能と出力特性がディーゼル車と同等になるよう、いすゞによって躾けられているからだ。
開発エンジニアに狙いをうかがうと、「ディーゼル車に慣れた人が、EVに乗り換えても違和感なく運転できること」が目的という。
ドライバーにとって『積荷を傷めない運転』は基本中の基本、EVならではのドラビリより、大切に積荷を運ぶことの優先度が高いという判断である。
同様のことは、排気ブレーキのかわりに装備する回生ブレーキにもあてはまり、あえて排気ブレーキを大きく上回る制動力はもたせていない。
ただし、ディーゼル車なら1段のみの排気ブレーキは、エルフEVでは弱め・強めの2段となり、アクセルオフ時および回生ブレーキ操作時の「減速の効き方」が4パターンから選べるという新機能も実装されている。
これは電動パワートレーンの制御の自由度の高さゆえに実現したもので、「ドライバーにとって、より運転しやすくなる機能」として提案したいという。
■目が離せない新時代のベスト・イン・クラス!
新型エルフは別項にまとめたADASの大量採用とともに、さすが長年にわたりベスト・イン・クラスの地位を占めてきた、その名を継ぐにふさわしい内容を持つ小型トラックである。
今後は、ハイブリッドモデル、FCV(燃料電池車)モデル、そして普免で運転できる新型車「エルフmio」のデビューを控えている。これからも目が離せないトラックだ。
■新型フォワードも堂々デビュー!
新型エルフと同時にフルチェンジを発表していた中型トラック「フォワード」が、2023年8月29日から発売された。
GVWは8t~14.5tと一回り以上大きく、シャシーとパワートレーンは別物だが、キャブプラットフォームはエルフと共用。しかし、ボリュームと骨太感のあるスタイリングに仕上げられており、その風格はまさしく中型だ。
ADASの大量採用も特徴で、レーンキープアシスト、ドライバー異常時対応システム、可変配光型LEDヘッドライト、ブラインドスポットモニター、ドライバーステータスモニター、標識認識機能、標識連動型スピードリミッター、電動パーキングブレーキを新たに設定した。
エンジンは5.2L直4SOHC16バルブの4HK1で、VGSターボの190PS仕様と210PS仕様、2ステージターボの240PS仕様があり、6速MTまたは6速スムーサーFx(AMT)と組み合わせるのは2022年型と同じだが、キャブ空気抵抗の低減により、一部モデルは2025年重量車燃費基準(JH25モード)の達成車となっている。
なお、今後もフォワード最上級モデル(GVW16t~22t)が一新の予定だ。
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