セリカと言えば「私をスキーに連れてって」にでていたアレを思い出す人、あるいはラリーで大活躍した丸目4灯のアレだよ!! など世代によって思い描くセリカがあるはず。それだけ歴史も人気もあったが、どうも最終型を激推しする人が少ない気が。でもでも、今思えばあれこそコスパ最強であって、かなり買いだったんじゃないか!?!?!?
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■やっぱGT-FOURよね……でも最終セリカはぜーんぶFF
トヨタのスペシャリティーカーとして、そしてラリーウェポンとしても名を馳せたセリカ。最近は再びセリカが復活するというような話題も上がっているが、意外となかったことにされている感があるのが、現時点では最後のセリカとなる7代目モデルではないだろうか?
セリカと言えば前述したようにラリーでの活躍が知られるところ。そのラリーベース車としても知られる「GT-FOUR」グレードは、GRヤリスが登場したときに「GR-FOUR」と往年のセリカを思わせるエンブレムが付けられていたことでも話題となった。
このセリカGR-FOURは1986年に4代目モデルに設定されたことを皮切りに、6代目モデルまで絶えることなく設定されてきており、セリカのイメージリーダーを担っていたことは間違いない。
ただ1999年に登場したセリカは一転、ライトウェイトスポーツとして生まれ変わり、ターボモデルも4WD仕様も存在しないモデルとなっていた。
■ライバルは初代インテR!? TRD謹製モデルも激アツだったのよ
トヨタが1999年にWRCから撤退していたことや、当時のラリーカーのベースがカローラになっていたこと。
そして2000年夏に控えたカローラシリーズのフルモデルチェンジのタイミングで、コンパクトクーペのカローラレビン/スプリンタートレノが消滅することで、セリカがその後釜を担う必要があったことも影響している。
その結果、7代目セリカは先代よりも一回り小さなボディと、エンジンも2Lから1.8Lへとダウンサイジングをしたライトウェイトスポーツに生まれ変わったのだった。
ただ、確かに4WDターボだったGT-FOURからしてみれば刺激の少ないモデルになってしまったかもしれないが、上級モデルでは1.8Lながら190PSを発生する2ZZ-GE型エンジンと6速MTを搭載。
1.2トンの切る軽量ボディ、そして四輪独立サスペンションというパッケージは初代インテグラタイプRに匹敵するものとなっていたのである。
事実その素質に目を付けたTRDが「TRDスポーツM」というモデルをリリースしており、こちらは専用のエアロパーツのほか、専用チューニングが施された足回りや10PSアップでインテグラタイプRと同等の200PSを達成した心臓部、さらにボディ補強までもがなされたスペシャルモデルに仕上がっていた。
■当時は売れず……でも中古車価格ジワジワ上昇中
ただそれでも当時はGT-FOURがなくなったことと、クーペ市場の冷え込みもあり人気は上向かず、2006年春に終売となってしまった。
その後は中古車市場でも長らく不人気車の扱いを受けてきた7代目セリカだが、近年再評価する向きもあり、中古車価格はジワジワと上昇中。
ただタイプRはもう気軽に手の出せない価格となってしまっている一方で、7代目セリカはまだ現実的な価格に留まっているため、狙うのであれば今かもしれない。
【画像ギャラリー】GT-FOUR今見てもカッコいいな!! いやいや最終セリカもいいゾ!! 全貌を一挙に(2枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方全盛期のWRXやエボが日進月歩で競り合っていた時代ですからね。そこと競るのは無謀でした。
とはいえこの時代のトヨタ、セリカだけじゃなくMR-Sも、運転がかなり面白い傑作ライトウェイトでした。
バランスなのか構造がいいのか、今の同等以上の馬力車にはない、実馬力以上の鋭さがあり、スポーツ走行も覚えやすい。
当時求められたハイパワーと違うというだけで、楽しさは不変なので中古人気が高まるのも納得です。