■心に寄り添う「クルマ」たち
クリエイターが作品(マンガ)をネーム、プロット、下書き段階から投稿し、それをファンや作家同士でコメントし合ってより優れた作品へと仕上がってゆくWebサービス「コルクBooks」。
前回、ベストカーWebとコルクBooksがコラボ企画として「ドライブ」というお題で募集したところ、大変キュンとくる作品が集まりました。
そこでコラボ企画第二弾として、今回は「クルマ」というど真ん中のお題を発表。前回同様多くの作家さんとそのタマゴの皆さんが作品をお送りいただきました。
当サイトが選ばせていただいた最優秀作品には1万円ぶんの図書カードを贈呈させていただきます。
そのほか7作品を「入選」とさせていただき、選評をつけさせていただきました! こちらはお気持ち程度で恐縮ですが、1000円ぶんの図書カードを(コルクbooksさんを通して)お送りさせていただきます!!
それではさっそく、「最優秀作品」からご紹介いたします!!
(各作品ページをタップしていただくと、「続き」が別ウィンドウで表示されます)
【最優秀作品】「おじいちゃんのお見送り」小柳かおり著
【選評】なぜ「安全運転」が大切なのか、ということがとてもよく伝わる作品でした。「自分のため」だけじゃないんですよね。「クルマ」や「運転」や「免許証(多くの人にはアイデンティティとして機能します)」が大事であればあるほど、「なぜそれが大事なのか」を考える必要があって、そのキッカケの多くは「誰かのため」であったはずで。クルマの最大の特徴は「移動の楽しみ」をもたらしてくれるところなんですが、そこに「誰と」や「誰かのために」が加わると、さらに輝かしいものになるんですよね。とても大切で、だけど大切だからこそ諦めることがある、と。お祖父さんの笑顔が素敵だったこととコマ割りが緻密で読みやすかったこと、高齢化社会でますます重要になってくるテーマ性と、総合力で最優秀作品に選ばせていただきました! おめでとうございます!!
【入選】「オンボロクルマ(再リメイク版)」こしのりょう著
【選評】最後の最後まで最終週作品と競った作品でした。プロ中のプロ、こしの先生の作品です。「はじめて買った15万円の中古車」と「家族」という、もうクルマ好きの心にきゅんきゅん来るアイテム2連発。お刺身に日本酒みたいな品揃えでした。若い頃の自分と古い(力のない)クルマ、安全で快適な今のクルマと今の生活がパラレルに対置されています。単なる記憶を「思い出」にまで高めるにはいくつか「アイテム」が必要で、クルマはそれに適した「記憶の扉を開けるカギ」になるんですよね。手法としても、髪型で年齢を象徴し、モノローグを差し挟む手法、とても勉強になりました。また、娘さんは「あの頃の苦労」を知らなくて、知らなくても気遣う娘さんが愛おしいということろまで、しっかり刺さる作品でした!
【入選】「五郎」渡部大羊著
【選評】今回唯一の「バイクもの」です。わりとさらりと描いているように見えますが、細部まできっちり書き込まれ、構図も「あぁ、愛情と思い入れを持ってバイクを見続けたんだろうな」ということがよくわかる作品でした。バイクってタンクとそこに写る自分を眺める時間、たくさんあるんですよね。運転しているときも一人だし、音楽を聞くわけでもないので、必然的に内省的になって、自分と向き合う時間が増える乗り物だなと思います。また、クルマやバイクに名前をつける人は最近めっきり減ったように思いますが、つけたほうが大事に乗るようになりますし、思い出にも残りやすくていいことづくしですよね。わたくし最初の愛車は「アインシュタイン」と名付けてました(ホンダ車でした)。
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