新型フィット試乗でわかった長所と注意点 偉大な初代や先代をどう超えたのか?

燃費競争からの脱却したのか?

新型フィットベーシックe:HEV(ハイブリッド)のWLTCモード燃費は29.4km/L、JC08モード燃費は38.6km/L。市街地モードは30.2km/L、郊外モードは32.4km/L、高速モードは27.4km/L。最量販車種のe:HEVのHOMEグレードはWLTCモードが28.8km/L、JC08モードが38.6km/L。WLTCの市街地モードが29.6km/L、郊外モードが31.8km/L、高速モードが27.0km/L
新型フィットベーシックe:HEV(ハイブリッド)のWLTCモード燃費は29.4km/L、JC08モード燃費は38.6km/L。市街地モードは30.2km/L、郊外モードは32.4km/L、高速モードは27.4km/L。最量販車種のe:HEVのHOMEグレードはWLTCモードが28.8km/L、JC08モードが38.6km/L。WLTCの市街地モードが29.6km/L、郊外モードが31.8km/L、高速モードが27.0km/L

 2013年9月に発売された先代フィットの大きなテーマはハイブリッドの燃費で、JC08モード燃費36.4km/Lという、低燃費NO.1を獲得したが、そのわずか3ヵ月後にはアクアがマイナーチェンジで37.0km/Lで再び塗り替えた。

 そうした燃費競争のなか誕生した先代フィットだったが、今回の新型フィットはそうした燃費競争から脱却したのだろうか、前出の新型フィット開発責任者の田中さんは、

「先代のフィットの時には開発責任者代行という形で、開発に携わっていましたが、こうした燃費競争ははたして本当にお客様のためになることなんだろうか、と思い、今回の新型フィットでは燃費とは別のところに目を向けてみようということからスタートしました」。

 ちなみに新型フィットの燃費は1.5Lハイブリッドのe:HEVの最高燃費がWLTCモード燃費29.4km/L、1.3Lガソリンの最高燃費がWLTCモード燃費20.4km/Lである。新型ヤリスのWLTCモード燃費はハイブリッドが36.0km/L、ガソリン車は1Lが20.2km/L、1.5L車は19.6~21.6km/L 。

5グレードの特徴と価格の違い

最もシンプルなエントリーグレードのベーシック。価格はガソリンがFF/155万7600円、4WD/175万5600円。e:HEVはFF/199万7600円、4WD/219万5600円
最もシンプルなエントリーグレードのベーシック。価格はガソリンがFF/155万7600円、4WD/175万5600円。e:HEVはFF/199万7600円、4WD/219万5600円
生活になじむデザインと快適性を兼ね備えたホーム。まるでインテリアショップの家具を思わせるイメージ。 価格はガソリンがFF/171万8200円、4WD/191万6200円。e:HEVはFF/206万8000円、4WD/226万6000円
生活になじむデザインと快適性を兼ね備えたホーム。まるでインテリアショップの家具を思わせるイメージ。 価格はガソリンがFF/171万8200円、4WD/191万6200円。e:HEVはFF/206万8000円、4WD/226万6000円
毎日をアクティブに過ごしたい人向け、ハイセンスなネス。シャイニンググレーメタリック&ライムグリーンの2トーンカラーがこれまでにない感覚。価格はガソリンがFF/187万7700円、4WD/207万5700円。e:HEVはFF/222万7500円、4WD/242万5500円
毎日をアクティブに過ごしたい人向け、ハイセンスなネス。シャイニンググレーメタリック&ライムグリーンの2トーンカラーがこれまでにない感覚。価格はガソリンがFF/187万7700円、4WD/207万5700円。e:HEVはFF/222万7500円、4WD/242万5500円
クロスオーバーSUVスタイルのクロスター。価格はガソリンがFF/193万8200円、4WD/213万6200円。e:HEVはFF/232万7600円、4WD/253万6600円。ルーフレールはシャークフィンアンテナとのセットオプションで4万4000円
クロスオーバーSUVスタイルのクロスター。価格はガソリンがFF/193万8200円、4WD/213万6200円。e:HEVはFF/232万7600円、4WD/253万6600円。ルーフレールはシャークフィンアンテナとのセットオプションで4万4000円
洗練さと上質さを兼ね備えたリュクス。50代以上のダウンサイザー向けにはコンパクトカーとは思えない高級感のあるリュクスが合うかもしれない。価格はガソリンがFF/197万7800円、4WD/218万6800円、e:HEVはFF/232万7600円、4WD/253万6600円
洗練さと上質さを兼ね備えたリュクス。50代以上のダウンサイザー向けにはコンパクトカーとは思えない高級感のあるリュクスが合うかもしれない。価格はガソリンがFF/197万7800円、4WD/218万6800円、e:HEVはFF/232万7600円、4WD/253万6600円
各グレード、1.3ガソリン、e:HEVの2グレードで、FF/4WDを用意
各グレード、1.3ガソリン、e:HEVの2グレードで、FF/4WDを用意

 新型フィットは5種類のグレードを用意する。そのすべてに1.3LのNAエンジンと1.5Lのe:HEV(ハイブリッド)、前輪駆動の2WDと4WDを組み合わせた。

 開発者は、「お客様が選びやすいように、従来のG、F、Lといった区分とは違う個性が分かりやすいバリエーションを用意した」と言う。

 この背景にはグレードを増やしてメーカーオプションの種類を減らし、組み合わせの総数を抑える合理的な目的もある。

 グレード内訳は、低価格のベーシック、プライムスムースを使ったコンビシート生地などを備えるホーム、シート生地に撥水加工を施してピラー部分をライムグリーンにした2トーンボディカラーも選べるネス、外観をSUV風に変更したクロスター、本革シートなどを採用したプレミアム感覚のリュクスだ。

 この内、ネスとクロスターは、撥水シート生地など装備の共通点が多い。ネスの装備は、フォグライトなど一部を除くとクロスターにも標準装着される。

 つまりネスのフロントマスクをSUV風に変更して、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)に余裕を持たせたグレードがクロスターになる。

 またネス/クロスター/リュクスには、ホンダコネクト+ナビ装着用スペシャルパッケージと、16インチアルミホイールを標準装着した。

 そこでNAエンジンのホーム(171万8200円/2WD)に、メーカーオプションのホンダコネクト+ナビ装着用スペシャルパッケージ(4万9500円)と16インチアルミホイール(6万6000円)を加えて条件を合わせると、合計価格は183万3700円だ。

 これらの装備を標準装着したノーマルエンジンのネス(187万7700円)/クロスター(193万8200円)/リュクス(197万7800円)と比べて、さほど大きな価格差にならない。

 特にクロスターは、オプションで装備を合わせたホームとの価格差が約10万円だ。ホームのシート生地はプライムスムース、クロスターは撥水といった違いはあるが、10万円の上乗せで外観がSUV風になって最低地上高も拡大するなら割安だろう。

 またリュクスは装備水準を合わせたホームに比べて約14万円高いが、専用装備となる本革シート(フロントシートの座面、背もたれの一部、サイド部、背面およびおよびリアシートには合成皮革やファブリックを使用)と運転席&助手シートヒーターなども加わる。これも本革シートが欲しいユーザーには割安だ。

 販売構成比を見ると、グレードの内訳はホームの46%が最も多く、次いでベーシックが20%(法人やレンタカー需要も多い)、リュクスは15%、クロスターは14%、ネスは6%と少ない。エンジンは初期受注とあってe:HEVが72%と多く、ノーマルタイプは28%だ。

 フィット全体の年齢構成は20代が5%、30代は7%、40代は14%、50代は26%、60歳以上が47%となる。つまり50歳以上が73%と多い。

 グレード別の年齢構成比を見ると、色彩などが若々しいネスでは若年層が意外に少なく、50歳以上が74%に達する。

 今は中高年齢層の元気が良く、フィットネス(要はダジャレですね)な世代感覚がうかがわれる。

 その一方で30代の比率が最も高いのは、本革シートなどを備えたリュクスだ。比較的若い年齢層が、シックな商品を好む傾向も見受けられる。

●ガソリン車、ハイブリッド車の比率
ガソリン車:28%、ハイブリッド車:72%
●グレード別販売比率
BASIC:20%
HOME:46%
NESS:6%
CROSSTAR:14%
LUXE:15%
●各タイプの年齢構成
※ガソリン車とハイブリッド車併せた構成比
■BASIC
〜20代:5%
30代:7%
40代:12%
50代:23%
60代〜:53%
■HOME
〜20代:4%
30代:7%
40代:14%
50代:24%
60代〜:51%
■NESS
〜20代:3%
30代:6%
40代:17%
50代:26%
60代〜:48%
■CROSSTAR
〜20代:9%
30代:8%
40代:16%
50代:27%
60代〜:40%
■LUXE
〜20代:2%
30代:10%
40代:14%
50代:28%
60代〜:46%

次ページは : NAエンジンとe:HEVの走りの違いとは?

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