SUVとなっても走りにアストンマーティンらしさは残っているか?
ドライビングフィールは、アストンマーティンのなかでもGTのキャラクターも持つDB11のようなスポーティな印象。
近年のアストンマーティンではお馴染みのボタン式始動スイッチやシフトボタンを押して走り出す。
パワートレインは550ps/71.4kgmを発生するメルセデスAMG製4L、V8ツインターボエンジンに、9速ATを組み合わせたもの。
エンジン始動時に軽くひと吠え、加速時にはエンジンの太くてシャープなトルク感を“音”でも体感できるが、基本的な静粛性は非常に高い。
乗り心地は総じてフラットで、作りのよさを感じさせる滑らかな印象。アストンマーティンのラインナップとしてはやはり重量感(車重は2245kg)をやや感じるが、コーナリング性能はそれを感じさせないほどよく曲がり、安定感もまた優れるスポーティぶりだ。
人間でいえば鍛えられた関節や筋肉を四輪に持ち、それを活かしたタフなしなやかさが万人に優しく頼もしいタイプ。
新たに搭載されたデバイスが功を奏しているのだろうけれど、ドライバーにそれを気づかせないジェントルなサポートぶりもアストンマーティンらしくまた高性能モデルである証。
ドライブモードは悪路モードが追加された4タイプ+カスタマイズモード。アグレッシブなスポーツモードを選べばDB11と同等レベルまでロールを抑えることも可能。
加えていえばDBXのブレーキ性能はアストンマーティン孤高のスーパーGTモデル、DBS Superleggeraと同等のパフォーマンスだという。
2000万円を超える価格なのに、クセや嫌味なく確かな走りとデザイン性を伝える “ワザ”や“センス”を改めて示した万能な最新のSUVだった。ある意味、アストンマーティン最強のモデルといえそうだ。
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