夢のマシン「イケヤフォーミュラ」独占試乗! このレーシングマシンが公道で乗れる!? 買える!?!? 

■ISTを味わうためのスーパーカー

 ISTのよさをできるだけ多くの人に理解してもらうにはどうしたらよいのか? そこがIF-02RDSの出発点。

 つまり、ナンバー付きのCカーを造りたかったわけではない。池谷社長が抱いていたこの思いはナンバー取得に対してもいい方向へ作用し、運輸省も実に協力的だったというから興味深い。

 もしかしたら世界に羽ばたくミッションかもしれないと国交省が期待してくれたからこそIF-02RDSがナンバーを取得できたといってもいいだろう。

「クルマを造ることはさほど難しいことではありませんでした。ストリートラジアルタイヤを装着することが前提なら、我々がフォーミュラを制作したノウハウが活きるパイプフレームでも充分すぎる強度が持てますからね。

 ただ、ナンバーを取得するとなると、規格に通ったガラスやダッシュボードが必要だったりと、クリアすべきポイントがいろいろとありました。関東運輸局とのやりとり、そして制作期間は3年くらい費やしてしまいましたね」

 そんなIF-02RDSについに試乗。薄くて軽そうなFRP製のガルウイングドアを持ち上げ、いよいよコクピットに滑り込もうと試みるが中年太りまっしぐらにはややキツイ。

 いかにもレーシングカーしとるな、なんて思いながらようやくコクピットに収まることができた。その体勢はまるでお茶の間の座椅子を若干倒して座っているようなものだから意外である。

着座姿勢はご覧の形。この包まれ感はまさに"コックピット"
着座姿勢はご覧の形。この包まれ感はまさに”コックピット”

 コクピットは液晶パネルのメーターがオリジナルデザインで制作されており今風な感覚。助手席側に目をやると、驚いたことに空調パネルがしっかり備わり、エアコンも装備されているらしい。

 早速キーをひねってエンジンをかけるとインテグラタイプR譲りのK20Aが目覚める。このエンジンにターボチャージャーを装着して約350馬力を発生する。

 右側に備わるシーケンシャルシフトを手前に引き、いよいよ発進に備える。ちょっと重めのツインプレートクラッチは、発進時とシフトダウン以外は踏む必要がない。

コックピットはシンプル。右側にシフトレバーがあるのがフォーミュラらしい
コックピットはシンプル。右側にシフトレバーがあるのがフォーミュラらしい

 走り始めると背後から”キュイーン”という駆動系の音がまず感じられる。さらにはヴォーンと元気のいいエンジンの音がダイレクトに入ってくるが、ホンダのVTECの割にはかなり重低音なイメージ。

 ターボ化されたこと、さらにはレギュレーションに沿わせるために大きなサイレンサーを投入していることがそんな音色にしているのだろう。だが、いずれにしてもかなりレーシーな感覚だ。

 その後シフトアップを次々に繰り返す。やや重めの操作感があるシフトを手前に弾くと、たしかに駆動が途切れる感覚はない。

 そのかわりに低速ギアからのアップではカクン、カクンと蹴り飛ばされるような振動が襲ってくる。エンジン側の制御をより煮詰めればそれも消せる方向らしいが、それが必要だろうか?

■今後はV10搭載で1億円で発売の予定も!?

 キャラどおりの爽快でレーシーな乗り味はかなりの快感。丸みを帯びたフロントスクリーンからの景色はいつもと違い、気分はル・マンのユーノディエールを走り抜けていく感覚(行ったことも走ったこともありませんが)。

 それくらいレーシーな気分にさせてくれるところは面白い! 街乗りっぽくJARI(日本自動車研究所)の構内を走ったが、意外にも車幅感覚が掴みやすかった。

 ついついISTが気持ちよくてシフトのアップダウンを意味もなく繰り返してしまうが、ほんの時速50キロであったとしても、シフトもコーナーリングも軽快で楽しいところが好感触だ。

 「ISTのよさってもっと高回転エンジンだと際立つと思うんです。だからオリジナル4LのV10エンジンの制作プロジェクトも開始しました。市販化へ向けての耐久性のハードルなどもかなりあるでしょう。

 でも、長期にわたる計画でスポーツドライビングに特化したクルマを造って、育てていきたいと思いますよ」と池谷社長の夢はまだまだ終わらない。

街中でこんなクルマが走っていたら……。3000万円というプライスは決して高くない
街中でこんなクルマが走っていたら……。3000万円というプライスは決して高くない

 実はそんな姿勢に興味を示したのは我々だけじゃない。乗用車メーカー、トラックメーカー、さらにはスノーモービルや船舶の世界からもISTの引き合いが始まったらしい。ISTが世界に羽ばたくのも時間の問題かもしれない。

 この流れ、やっぱり小説を書いてドラマ化すべき。池井戸潤様、ぜひともご検討を!!(マジ)。IF-02RDSと池谷社長の情熱はそこまで胸が熱くなるほどの存在だった。

 さてこのIF-02RDSの価格は3000万円。すでに十数件のオーダーが入っているという。欲しい人は急げ!!

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