■価格が手頃なスポーツシリーズ
これよりも価格が手ごろで、日常的な使い勝手のよさも追求したのがスポーツシリーズで、まずは2015年に570Sと540Cがデビュー。2016年にはマクラーレン初のグランドツアラーとなる750GTが誕生した。
スポーツシリーズでは、カーボンモノコックの形状が見直されて乗り降りがより容易になったほか、小物入れが充実して実用性が向上。いっぽうで高度な可変制御ダンパー・システムや可変エアロダイナミクスを省くことでスーパーシリーズよりも低廉な価格を実現していた。
これに続いて昨年デビューした720Sはスーパーシリーズの第2世代というべきモデルで、エンジンを4Lに拡大。カーボンモノコックはスポーツシリーズの思想を採り入れて乗降性を改善したものが採用された。
そして今年、セナが華々しくデビュー。そのサーキット専用モデルであるセナGTRの登場も予告されたが、なぜマクラーレンはこうも矢継ぎ早にニューモデルを投入するのだろうか?
●2015年 570Sクーペ/スパイダー
3.8L、V8ツインターボ(570ps/61.2kgm)
発売当時価格2556万円(クーペ)

いくら廉価版といってもパフォーマンスはこれで充分以上。コーナリングと乗り心地のバランスが絶妙で、マクラーレン本来の魅力を満載した1台
●2016年、570GT
3.8L、V8ツインターボ(570ps/61.2kgm)
発売当時価格/2750万円

ルーフ後半がなだらかに下降するファストバックデザインが美しい570GT。570Sをベースに荷室を拡大。ただし足回りはこちらのほうが柔らかくて快適だ
■2022年までに合計15車種の新型車を発表すると発表済み
実は、彼らは2016年に中期計画のトラック22を発表。そのなかで2022年までに合計15の新型車を発表すると予告している。このうち、すでに4モデルがデビューしているので、あと4年間で11モデルが登場する見通し。そのバイタリティには驚くばかりだ。
ちなみに、セナに続いて登場するのは、同じアルティメット・シリーズの〝BP23〟となることが明らかにされている。そのコンセプトは超高速クルーザーで、F1が記録した当時の量産車記録391kmを上回る最高速度をマークする模様。
しかも、F1と同じ「センター・ステアリングの3シート・レイアウト」が採用されるので、30年の時を超えてあのF1が復活するといってもいいだろう。
●2015年 540Cクーペ
3.8L、V8ツインターボ(540ps/55.1kgm)
発売当時価格2188万円

570Sより30ps/6.1 kgm下げてスポーティな装備を省いたのが540c。価格は2188万円。走りの性能、乗り心地ともにまったく不満なし
●2017年 720sクーペ
4L、V8ツインターボ(720ps/78.5kgm)
発売当時価格3338万3000円

第2世代スーパーシリーズの第一作。排気量が増えたエンジンはレスポンスがさらに向上。ドリフト量を自在に制御できるデバイスで腕を磨けるのも魅力だ
●2018年6月28日発表 600LT
3.8L、V8ツインターボ(600ps/63.2kgm)
価格約2780万円

今年6月28日に正式発表され、7月12日、2018グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて一般公開。ロングテール(LT)の4番目にあたるモデルで、570Sに比べ96㎏軽量化され、車両重量は1247㎏
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