■Xモードで悪路走破力をテスト!
悪路走破力を高めるXモードも試した。スノー/ダートモードでは4輪が滑りにくく、安定して走行できる。ディープスノー/マッドモードは、抵抗の大きな深雪や泥道を走るためのモードだから、ホイールの空転をある程度は許容する。雪を跳ね飛ばしながら、迫力の伴う走りを行えた。
このほかグリップコントロールも採用した。滑りやすい下り坂やデコボコの激しい悪路をゆっくりと安定して走破するための機能で、モーターの駆動力と4輪独立ブレーキ制御が自動的に行われる。ペダル操作はすべて車両に任せて、ステアリング操作に集中できることもメリットだ。
今回のテストコースには、大きなデコボコが用意され、後輪が大きく浮き上がる場面があった。ここにグリップコントロールを作動させて進入すると、ペダル操作をしなくても、モーターとブレーキが最適に制御される。
空転するホイールには自動的にブレーキが作動して、駆動力の伝達ロスも抑えられ、スムーズに走破できた。
なお乗り心地は、雪上のデコボコを乗り越えた時など、少し硬さを意識させた。bZ4Xは舗装路上の試乗だったから直接比較はできないが、ソルテラの方が硬く感じられた。
開発者は「ソルテラのショックアブソーバーは、走行安定性を向上させるため、bZ4Xに比べると縮み側の減衰力を少し高く設定した」という。
居住空間の広さなどはbZ4Xと同じで、前後席ともに広い。床下に駆動用リチウムイオン電池を搭載したから、床と座面の間隔は少ないが、前後席に座る乗員同士の間隔は1000mmと長い。
そのために身長170cmの大人4名が乗車すると、後席に座る乗員の膝先には握りコブシ3つ分の余裕ができる。SUVでは足元空間が比較的広いフォレスターでも握りコブシ2つ半だから、3つ分のソルテラは広々としている。床と座面の間隔が不足して、足を前方に伸ばす座り方になっても窮屈には感じない。
ただし後席の形状により、座面が短く感じられるから、購入時には座り心地を確認したい。
またボディの基本スタイルはbZ4Xと同じだから、スバル車としては、サイドウインドーの下端が高めでボディ後端のピラー(柱)も太い。この影響で斜め後方の視界が良くないから、スバル車のユーザーが購入する時は、縦列駐車や車庫入れを試したい。
それにしてもソルテラは、bZ4Xと基本部分を共通化しながら、スバルらしさを盛り込んで機能をさらに向上させた。リーフやbZ4Xと併せて、電気自動車の主力商品になるだろう。
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