アイオニック5に勝てる? アリアと比べてどうだ?? bZ4X プロトタイプ試乗で見えた性能と課題

アイオニック5に勝てる? アリアと比べてどうだ?? bZ4X プロトタイプ試乗で見えた性能と課題

 日本向けモデルを5月12日に発売することが発表されたトヨタの量産型EV、bZ4X(ビーズィーフォーエックス)。2月、そのプロトタイプ試乗会が千葉県・袖ケ浦フォレストレースウェイで行われた。

 トヨタが本気で「売り」に来た初のEV、その実力を自動車評論家 国沢光宏氏が斬る!

●トヨタ「bZ(ビーズィー」シリーズとは?
「bZ」は「beyond Zero」の略で、「単なるゼロエミッションを超えた価値」を目指して生み出された専用プラットフォームを持つピュアEVのシリーズ名。中国、欧州、米国、日本など、EVの需要や再生可能エネルギーの供給が多い地域に向け、今回試乗したbZ4X以外にも6車種が2025年までに導入される計画となっている。

※本稿は2022年3月のものです
文/国沢光宏、写真/TOYOTA、ベストカー編集部、撮影/奥隅圭之
初出:『ベストカー』2022年4月10日号

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■サーキットでbZ4Xに試乗!

千葉県の袖ケ浦フォレストレースウェイでトヨタ bZ4Xに国沢光宏氏が試乗

 順番からすれば昨年6月に受注を始めた日産ARIYA(アリア)のほうが先に出てくるハズなのだけれど、開発段階で問題抱えているらしく、いまだ情報なし。

 というわけで後から登場したbZ4Xの試乗レポートをお届けすることになりました。

 bZ4XはARIYAとともに最新世代の電気自動車で、電気自動車専用のプラットフォームを採用。「2030年に世界で350万台の電気自動車を作る」と打ち出したトヨタにとって、切り込み隊長と言える重要な世界戦略車だ。

 はたしてどんなクルマに仕上がっているだろうか? 試乗の舞台は千葉県の袖ケ浦サーキットです。まず後輪にもモーターが付くAWDから。

 ピットアウトしアクセル全開してみたら「なるほど!」と思える元気さ。80km/hくらいまでなら0〜100km/h加速6秒くらいのクルマと同等の加速力をイメージしていただければよい。日本の速度域なら街中でのドライバビリティは充分過ぎるほど。

 ただ「電気自動車って速い!」というイメージだと、少し物足りないかも。

 というのも、80km/hあたりから伸び感が薄くなるからだ。0〜100km/h加速タイムは7.7秒で、ハリアーのハイブリッドと同等。トヨタに聞いてみたら「初めての量販電気自動車ということで普通に乗れるクルマを目標にしました」。

 2台目に試乗したFFモデルも同じようなイメージ。「走り出しはタイヤ性能一杯使うほど元気ながら徐々に大人しくなる」感じ。0〜100km/h加速も8.4秒とのこと。

強く傾斜したリアピラーがクーペSUVの雰囲気を醸す。サイズ的にはRAV4に近い

 ハンドリングは優秀。なによりボディが硬い! 車体の中央に強固かつ重いバッテリーを搭載しているためだと思う。車重2トン近いのにミシリともしないのだった。

 加えて重心低く前後の重量配分だってよい。こらもう電気自動車に共通するスペックと言ってよかろう。コーナーでハンドル切り込むと、素直にノーズの向きが変わっていく。不快なアンダーステアも、バランス崩すオーバーステアもなし。タイヤ性能分だけ曲がってくれる感じ。

 FFモデルになるとアクセル開けた時、少し前輪が外側に逃げていく感覚出てくるものの、速度域上がってきたらパワー落ちるため気にならなくなる。制限速度のないサーキットだとあまりに素直だから、もっとパワー欲しくなってしまうほど。

 いずれにしろ「華やかさこそないけれど実用的」という穏やかなクルマ作りで一貫しており、毎日付き合える電気自動車に仕上がっていると思う。満充電航続距離は普通に乗って300km程度ある。エンジン車から乗り換えても普通に使えるハズ。

 おそらく日本市場においては販売目標を軽くクリアできると思う。ただ前述のとおりこのクルマは2030年に350万台を目標にするトヨタの切り込み隊長だ。

 海外市場でガチのライバルになるだろうヒョンデのアイオニック5と比較すると、動力性能(ライバルは5.2秒)を始め、インテリアや装備内容、上質感など、すべての点で負けている感じ。

 そもそも欧州市場でトヨタはヒョンデに勝ててない。日本という井戸の中じゃ上等なbZ4Xながら、大海に出るならさらなる修行が必要です。

「毎日付き合えるナイスな相棒。でも世界で戦うなら課題もある」と国沢氏

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