これがホンダのベンチャーが作った電動3輪バイクだ! 爽快な一体感を味わえる「Striemo」(ストリーモ)に試乗!!

■価格は26万円で、2年以内に施行される新道交法では免許不要に

ハンドルから手を放した状態でもStriemoは静止したまま倒れない。これが「バランスアシストシステム」の効果のようだ
ハンドルから手を放した状態でもStriemoは静止したまま倒れない。これが「バランスアシストシステム」の効果のようだ

 さて、製品版のStriemoでは、森CEOが2輪時代に培ってきた移動の楽しさと安心・余裕感、そして身体のバランス取りのストレス軽減に注力しており、人そのものを研究することでユーザーへの安心感を追求したのだという。

 森CEOはホンダでの2輪レース開発やバランス制御技術の開発経験で得られた「ヒト研究」によるノウハウを活かし、このStriemoのプロトタイプを自宅ガレージで作り始めたのがきっかけだったそうだ。

 Striemoの特徴は、大きく分けて3つあり、まずひとつ目が独自の「バランスアシストシステム」を採用することで停止時も自立し、極低速域から快適な速度まで転倒しづらく、安定していること。石畳や轍、傾斜路でも進路や姿勢を乱されにくい走行時のバランス取りの不安を軽減してくれることがふたつ目。さらにふらつきにくく、足を付かずに停止し、車道の走行速度だけでなく、歩行速度での移動も互いに安心して走行できるのが3つ目。

 このStriemo、一般ユーザー向けの価格は300台のローンチ限定モデル(※要オンラインでの抽選販売申し込み)で税込み26万円。また、事業者向けには建設業や大学での敷地内移動のほか、工場や空港、エネルギープラントなどへのサブスクリプションでの展開もあるという。2022年中に販売開始される予定だ。

 ちなみに現行の道交法ではStriemoは原付1種免許が必要となり、時速制限が30km/hでヘルメットの着用義務と自賠責加入、ナンバー登録などが必要となり、車道のみの走行しか許されていない。

 が、今年4月19日に今後2年以内に施行される新道交法案が衆院で可決され、Striemoは16歳以上であれば免許は不要となり、車道以外に自転車専用道、6km/h以下の速度制限とインジケーターを表示することで歩道での走行もOKとなる。また、速度制限が20km/hとなるほか、ヘルメットの着用義務もなくなる。

■スラローム走行ではスキーのような爽快感を味わえた!

Striemoに試乗する担当渡邊。直線路はほぼ直立の姿勢で、コーナリング時にはスキーのように膝を曲げて車体を傾けるとスムーズに走行できる
Striemoに試乗する担当渡邊。直線路はほぼ直立の姿勢で、コーナリング時にはスキーのように膝を曲げて車体を傾けるとスムーズに走行できる

 発表会後に実施されたStriemoの試乗会に担当が参加してきたので、その際の印象をレポートしたい。ホンダ和光研究所内の敷地内を短時間走行したのだが、まず静止した状態で乗ったまま、ハンドルを握らなくてもバランスアシストシステムのおかげでStriemoは倒れることがないことに驚かされた。

 試乗では最初に15km/hの速度で直進し、その後に緩いカーブに差し掛かったのだが、やや速度を落としてラクラクと走行していく。そのコーナリング感覚はハンドルを切って方向を曲げるというよりも、ハンドルを曲がりたい方向に押していきながらさらに膝を曲げてスキーの滑降のような感覚で走行していく感じだ。

 試乗コースには高さのある凹凸の障害物なども設置されていたのだが、Striemoは少々速度を抑えていればバランスを崩すことなく、難なくクリアしていった。

 今回の試乗会では、乗り比べ用に3種類の他社製電動マイクロモビリティも用意されており、実際に担当も乗り比べてみたのだが、Striemoのバランス取りの簡単さが際立っていた。

 Striemoは慣れてくると速度を上げてカーブをクリアできるようになり、その自由自在さが実感できる。電動マイクロモビリティをホンダ発のベンチャーが作るとこうなるんだ! と言わんばかりの楽しさを味わえた。

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