ホンダ新型CR-Vには北海道の大地とカーフェリーとグルメがよく似合う!

■北海道でも感じるサイズアップ

 新型CR-Vの駆動ユニットは2タイプ。1.5Lターボと2Lハイブリッド(ハイブリッド仕様は11月発売)。これにそれぞれFFと4WDが組み合わされる。今回試乗したのは1.5Lターボの「EX・Masterpiece」という上級グレード。

 この仕様には3列シートの7人乗り仕様も用意されているが、今回の試乗車は5人乗り仕様だった。

 札幌市街、いわゆる交通量の多い都市部で試乗した最初の印象は、「CR-V、大きくなったなぁ…」というところ。感覚で言うとランクルを動かしているような気分。

 そりゃそうだ。20年前の初代CR-Vは全長4385×全幅1750×全高1675mmだった。それが新型は全長4605×全幅1855×全高1690mm。車格にして1.5倍くらいに感じる。

 道幅の広い秋の札幌でも、その車幅の大きさは充分に感じることができる。

常用速度域で札幌市内をドライブ。これくらいの速度で使うぶんには、新型CR-Vの「大きさ」が気になった。郊外では気にならないが、例えば鎌倉のような古い街の狭い道をメインに使うとちょっとストレスになりそう

 そのいっぽうで全体的な「使い勝手のよさ」は現代的ミドルクラスSUVの真骨頂といえる。後席を倒すと1756L(VDA)という広大な荷室スペースが出現し、上級モデルに用意される「ハンズフリーアクセスパワーテールゲート」(両手がふさがっているときに、ボディ下部に脚を差し入れると自動でテールゲートが開く装備)は、こういったドライブに最適。4人ぶんの旅行装備もらくらく搭載できるし、荷物の出し入れも手軽。

 市内中心部の「時計台」で撮影し、そこからクルマで15分、札幌場外市場で朝食へ。本企画担当者が普段から「もしある日、余命3カ月と宣告されたら、ここにこれを食べに行く」と言っている「北のグルメ亭」の特製海鮮丼(2000円)を食す。

 うまし。

特製海鮮丼。これが2000円で食べられるのだから、北海道は恐ろしいところだ

(※札幌市中央卸売・場外市場 北のグルメ亭情報はこちら

 続いて札幌市街が一望できる大倉山と宮の森のジャンプ競技場へ。向かう山道は軽いワインディングとなっていて、ここでハンドリングをチェック。

 吸排気デュアルVTCを備えた直噴1.5LのVTECターボエンジン(L15B型)は、先代(2.4L、NA)から大幅にダウンサイジングされたこともありパワー不足が心配であったが、乗ってみるとまったくの杞憂であった。

札幌オリンピックで使用されたジャンプ台。写真は宮の森ジャンプ台だが、大倉山ジャンプ台には展望台があり、スタート地点まで登ることができる

 低回転からしっかりとトルクが出ることで、山道でも軽やかな身のこなしを実現させており、運転しているとなかなかに楽しい。ロールもスムーズで、ここらへんの足回りのセッティングはさすがホンダといった仕上がり。

 本音を言えば急勾配の上り坂では「もうちょいパワーがほしいかな」と思う場面もあったが、そちらはハイブリッド仕様に期待したい。

 いい感じの撮影スポットでSNS映えする写真を撮って、羊ケ丘展望台から高速巡航をチェックするため道央道で新千歳空港へ。

 真っ直ぐに伸びる高速道路を巡航してみて、新型CR-Vが一番得意なシチュエーションはこれか、と実感した。乗り心地と静粛性がすばらしい。

 いかついフロントマスクなのであまりイメージがないが、新型CR-Vは空力特性を追求されている。アクティブノイズコントロールも採用しており、値段を考えると競合することになる高級SUVとも、この点では充分渡り合える。

 この巡航時の乗り心地は足回りのセッティングも揃えられており、特に後席に乗った時の快適性はクラストップレベルといえる。

 またホンダ自慢の先進安全技術、「ホンダセンシング」が全車標準装備なのもCR-Vの大きなポイント。歩行者検知機能の付くミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた最新式で、「サポカーS〈ワイド〉」に認定されている。

ワインディングも楽しかったが、高速巡航で真価を発揮した。このクルージングは快適。完全停止までサポートするアダプティブオートクルーズコントロールは北海道のような道では強い味方になった

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