試乗は1.8L /2.0L、それぞれ2WD/E-Fourの全4グレード
試乗車は、プロトタイプで、先代から引き継いだ1.8Lハイブリッドの2WD/E-Four、そして新開発となる2.0Lハイブリッドの2WD/E-Fourの全4グレードだ。1.8Lハイブリッドは103kW(140PS)、2.0Lハイブリッドは144kW(193PS)のシステム最高出力を誇り、0-100km/h加速はそれぞれ、9.3秒(1.8L)、7.5秒(2.0L)だという。最上級グレードのプラグインハイブリッド車はさらに速い(6.7秒)が、今回(の試乗会で)は、お預けとなった。
2.0Lハイブリッド車のタイヤは、195/50R19のヨコハマタイヤのBlueEarth-GT。現時点では市販されていないサイズで、新たに製作されたサイズだ。世界中で販売されるプリウスのため、ロジスティクスはタイヤサプライヤと念入りに調整済みだという。なお、1.8Lハイブリッド車には、195/60R17のヨコハマタイヤBlueEarth-FEが装着されていた。
歴代プリウスからは想像つかない加速サウンドの2.0L、1.8Lは消したいノイズが
いよいよ試乗。動き始めのステアリングの手ごたえは軽めだが、センタリングがしっかりと出ている印象で、直進走行に迷いがなく、軽く手を添えていればまっすぐに進む。上質感のあるステアリングフィールなので、上級車向けのラックアシスト式を使っているのかと思ったが、従来のコラムアシスト式(JTEKT製)だった。比較のため先代プリウスにも試乗したが、微舵の曖昧さと戻りの遅れが。新型は確実に進化していた。
速度を上げていくと、2.0Lハイブリッドは、歴代プリウスからは想像つかない加速サウンドが響き渡る。加速力は、2.0L E-Four、2.0L 2WD、1.8L E-Four、1.8L 2WDの順で速まる印象で、どちらもE-Fourはコーナー中で踏み込んでも前に出ていく感覚があり、ちょっと速めのドライブをするには心地が良い。
1.8Lハイブリッドのほうは、車内に入り込むエンジン音がだいぶ大きめ。聞かせるサウンドというよりも消したいノイズに近く、2.0Lハイブリッドのほうが、はるかに洗練されている印象を受けた。
コーナリングも軽快で、実に気持よく、楽しい走り
コーナリングの所作も軽快だ。小径ホイールのおかげもあり、曲がりの強さはクイック。195幅という細幅タイヤ(先代は最大215幅だった)だが、横方向のグリップ力がかなり高い。後輪のダブルウィッシュボーンサス(ブッシュ特性を改良)の恩恵もあるのだろうが、ヨコハマタイヤのつくり込みが素晴らしく良いのだろう。
ロール挙動も先代比で小さくなったように感じる。着座位置の低さや前方視野の低さのおかげで、グラリとした揺れを感じさせない、いい足回りに仕上がっている。17インチでも大きく印象は変わらず、ロバストな足回りは非常に好感が持てた。
また、ブレーキの所作が非常に好ましい。ブレーキの踏力に対し、減速Gが瞬時に立ち上がる。アクセルオフでの減速度は強いわけではないのだが、レスポンスよく減速Gが立ち上がるので、ちょっとブレーキが遅れても安心感があった(Bレンジは、もう少し強めに減速Gを出してもよいかもしれない)。
コーナリングや加速、減速の挙動など、一連の動作がピタッと決まると、実に気持よく、楽しい走りとなる。プロトタイプとはいえ、完成度の高さに驚かされた。
コメント
コメントの使い方