■制御が超自然! 全グレード標準の先進機能が超安心・安全だった
今回の公道試乗で、筆者がとても気に入ったのが、減速支援やステアリング操作支援をするプロアクティブドライビングアシストだ(全グレードで標準装備)。
ACC(前走車追従走行クルーズコントロール)やLTA(レーントレーシングアシスト)といった支援機能はスイッチを入れたうえで利用するが、プロアクティブアシストは常時機能させておくことができる(OFFも可)。
走行車線と前走車を常時スキャニングしており、前走車の急減速を検知して自車を自動減速させて安全確保。
そしてコーナーの曲がりを検知して自動減速しつつ、ステアリングの操舵力をコントロールする(操舵するときに操舵力を一時的に下げる)という支援制御をしている。注意深く気にしていれば、いつ支援機能が入ったかが分かるが、制御介入のナチュラルさには驚いた。
本機能は、新型ノア/ヴォクシーから搭載されているという。リアルワールドでの安全性向上に加えて、運転が上手くなったように感じるこの支援機能は、今後すべてのトヨタ車に、拡大採用を期待したい。
■細すぎ19インチタイヤでも燃費良好! 燃費計は25km/Lをマーク
また、実燃費の良さにも驚かされた。新型プリウスのタイヤは、KINTO専用「Uグレード」や、フリート向け「Xグレード」を除いて195/50R19のタイヤが標準仕様となる(他は195/60R17)。
だが2WDと4WDで同じコースを走行した後のメーター表示燃費は、4WD車は20km/L、2WD車は25km/Lにも到達していた。WLTCモードのカタログ燃費は、ハイブリッド2WD 28.6km/L、ハイブリッド4WD 26.7km/Lなので、概ね約80~90%の達成度だ。
しかも、シャシー担当エンジニアによると、195/50R19サイズのヨコハマ ブルーアースGTは、燃費性能よりも走行性能を重視した設計をしたという。そのため、低転がり抵抗タイヤと比べると、燃費的には不利になるはずなのだが、それでもこの燃費を達成するとは、他社メーカーにとっては脅威でしかない。
■4WDモデルは乗り心地に注意!! 突き上げ感とノイズが目立ち気味
一方、気になったことは、4WD車の乗り心地がイマイチだったことだ。2WD(FF)車は程よい硬さでダンピングの良い乗り味なのだが、4WD車は特に後席側の突き上げが強い。
操縦安定性・乗り心地の設計担当者によると、4WDはリア荷重が大きいため、リアサスペンションのコイルスプリングとショックアブソーバー特性を高めているとのこと(フロントサスは2WD車と4WD車で同じセッティング)。
「バネ上質量の増加分に合わせてバネ乗数も等倍した」という説明であったが、その効果のほどはイマイチで、2WD車に対し、リアからの上下方向の突き上げはかなり強い。
また、リアサスからの微振動がフロアを揺する影響なのか後席付近でのロードノイズも、2WDよりも大きく聞こえた。
走行距離わずか600㎞程度のテストカーであったので、サスペンションにあたりが付けばマイルドになるとは思われるが、現セッティングでは解消されるとは思えない。後席に人を乗せる機会が多い方は、その点は気にしておいた方がいいだろう。
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