パジェロ&ラングラーを天才エンジニアはどう見る? 日米名門4WD徹底比較!!

■どこまでもオフロードを目指して割り切ったラングラー

 背もたれの角度調節はレバー式ではなく、ベルトを引くのですね。これはちょっとわかりにくいし、調整しづらい。

 いかにも前後リジッドアクスルという乗り味。長いトレーリングアームが撓むのでステアを切っても舵角の反応は鈍く、おっとっと……となってしまいます。

 この緩さがオフローダーです。それほど速度を上げていないコーナリングで、ステアを左右に小刻みに振ってみてもクルマは反応しません。

全体的に緩い印象のラングラー。しかしあえてこの「緩さ」を残していることが伝わるという

 長い前後のトレーリングアームがよれているのです。そもそも舗装路を飛ばして評価を云々するクルマではありません。ジムニーと同じ現象です。

 操舵量や速度域、入力荷重に関係なく一貫して”緩い”ので、この乗り味、この動きに馴れてしまえば、それなりに使えるし不満もありません。

 例えば大型トレーラーを引いて長距離移動をするようなケースでは、この緩い動きがちょうどいいのです。

 ただ、ここまでは「2H」で走っていましたが、「4H」に切り替えると多少『緩さ』が減って乗りやすくなります。

 トレーリングアームが長いので、サスストローク自体は大きく、乗り心地は意外といい。

 まあタイヤのせいで、ゴツゴツは拾っていますけど。それにしても、あの岩場用ゴツゴツブロックのタイヤにしては、走行音が小さいのは意外です。

 エンジン音は高回転でちょっとうるさく、いかにもアメ車の洗練されていない雑音の多い雰囲気。

 アメ車のV6はV8に対する廉価版で、決して高級エンジンではありません。可もなく不可もなくですが、低回転でしっかりとトルクレスポンスをするため、オフロードでの使いやすさは高いでしょう。

 ブレーキは……、ノーズダイブは小さいのですが、とにかく効きが甘い。目一杯ペダルを踏んでもパッドが食い付く感覚が希薄。

 アメ車はどれも同じようにこのような長寿命タイプのブレーキですが、これはどうにかしてほしいところです。

オールマイティさを切り捨てたその乗り味は日本の普通の道では80点以下。しかこのクルマが狙うアメリカのオフロードを走破する性能を考えれば90点だ

【ジープラングラールビコン 主要諸元】


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