タイプRの誕生は1997年。通算6代目「ミラクルシビック」の時だった。その前も高回転型1.6LVTECエンジンを搭載したSiモデルが存在していたが、他社のライバルを凌駕するタイプRの設定がシビックにも熱望された
その熱望に応える形で1997年8月に、インテグラタイプRに搭載されていたB16B型(185ps/8200rpm)エンジンを移植された「初代」シビックタイプRが誕生した
モモステやレカロシート、チタン製シフトノブといったタイプRの定番アイテムは当然シビックにも受け継がれた
そのモモステにはさらなるスパルタン仕様としてエアバッグレス仕様もオプション設定されていた。当時のエアバッグは小型化できておらず重量が増し、フィールが悪くなるなどスポーツ走行では悪者扱いされる存在であった
2001年に「2代目」タイプRが誕生。7代目シビックをベースにエンジンは2LのK20A型(215ps/8000rpm)を搭載し登場した。日本仕様のハッチバックは5ドア のみだったため、3ドアのハッチバック仕様だったタイプRはイギリスからの輸入車となった
「3代目」タイプRは2007年に登場。4ドアセダンベースにK20Aエンジンを改良して搭載。4ドアセダンをベースとしたため、利便性は大幅に向上したものの、足回りはかなり固められたため、ハードな乗り心地となっていた
2代目及び3代目に搭載されたK20Aエンジン。3代目に搭載時には225ps/8000rpmにまでパワーアップしていた。このエンジンをさらに無限(M-TEC)がチューンした「RR」モデルでは240psまでパワーアップしていた
K20Aエンジン搭載車のタコメーター。「普通?」の市販車でレッドゾーンが9000回転ちょっと手前からという超高回転型のエンジンだったことがわかる
4代目は9代目(日本未発売)の5ドアハッチバック車をベースに開発され2015年に限定車として発売された。この外観からもわかるとおり、世界ツーリングカー選手権への参戦によって得た技術も採り入れられている
4代目のリア下周り。ディフューザー形状となっており、空力を考慮した形状が採用されている。このタイプRはニュルブルクリンク北コースでFF車最速7分50秒63を記録。それを記念して750台限定車となった
エンジンでのトピックはターボ仕様となったこと。K20Cターボエンジンは310ps/6500rpm,40.8kgfm/2500-4500rpmというとてつもない性能に向上した
4代目のコックピット。非常に囲まれ感の強いデザインとなっている。特にメーター周りのデザインが特徴的だ
そのメーター周りの拡大写真。上にデジタル表示のスピードメーター、下にタコメーターの表示となる。S660にも装備可能だったGセンサーの表示も可能だ。レッドゾーンはターボ化されさすが常識的? な7000rpmからとなっている
5代目タイプRも含むシビックファミリーの写真。5代目は2017年に登場。先代同様5ドアハッチバックベースとなる。ニュルブルクリンクのFF車最速バトルはさらに熾烈となっていて、この代で7分43秒80を記録し、最速の座を奪還した
4代目に比べるとベース車同様のシンプルな造形となった内装。ただ、ベース車同様そもそもの着座位置が低く、非常にその気にさせてくれる仕上がりだ。昨年まで販売され、今年6代目にバトンタッチされる。今から新型の登場が楽しみだ!