1958年3月に送り出された進歩的な軽乗用車が、今も名車として語り継がれているスバル360だ。航空機技術を用いた軽量で高剛性のモノコックボディを採用し、リアに356ccの空冷2サイクル2気筒エンジンを積んでいる
スバル360。てんとう虫の愛称で親しまれた歴史的名車
スバル360
時代を先取りしたFF方式のファミリーカーがスバル1000(1966年)だ。日本初の水平対向4気筒OHVエンジンを搭載し、フラットフロアも自慢だった。排気量を拡大してff-1になり、1300Gまで発展する
水平対向エンジンなど最先端技術を満載していたスバル1000
スバル1000
R-2(1969年)。ライバルの台頭によって競争力を失ったスバル360の後継車で、リア駆動の2気筒エンジンに4輪独立懸架のサスペンションなど、メカはスバル360を発展させたものである。広いキャビンも自慢だった
スバル360の後継として登場したR-2はRRレイアウトも継承
R-2
レオーネ4WD。FF車として登場したが、1972年9月に画期的な乗用4WDのエステートバン4WDを投入。ミッション後方にプロペラシャフトを加えたパートタイム4WDで、1975年にはセダンにも4WDを設定した
レオーネ4WD(1972年)。セダン4WDは世界初の量産4WD乗用車
サンバー(3代目・1973年)。スバル360の技術を応用して開発したリアエンジンの軽商用車。高効率のキャブオーバースタイルを採り、3代目の剛力サンバーでは快適な4サイクルエンジンや軽キャブバン初の4WDを投入した
ジャスティ(初代・1984年)。FF車のほか、リッターカー初の4WDを設定して注目を集めた。3気筒エンジンを積み、最初は5速MTのみだったが、1987年に量産車世界初採用となる最先端の無段変速機(ECVT)を加え、新境地を切り開いている
アルシオーネ(1985年)。リトラクタブルヘッドライトを採用したスバル初のスペシャルティカー。1.8Lの水平対向4気筒ターボを積むFFクーペと4WDがあり、後者は電子制御エアサスも装備する。後に6気筒モデルも加わった
レガシィツーリングワゴン(初代・1989年)。セダンとツーリングワゴンを設定し、GTが積むのはパワフルな2Lの水平対向4気筒DOHCターボだ。フルタイム4WDの4速AT車は電子制御アクティブトルクスプリット4WDで、意のままの走りを披露
レガシィツーリングワゴン(初代)。4WDスポーツワゴンのパイオニアだ
レガシィツーリングワゴン(初代)
レガシィツーリングワゴン(初代)
アルシオーネSVX(1991年)。鬼才ジウジアーロがデザインした大胆なラウンドキャノピーの4WDスペシャルティカー。3.3Lの水平対向6気筒DOHCエンジンにVTC式フルタイム4WDを組み合わせ、上質な走りを見せた
アルシオーネSVX
ヴィヴィオ(1992年)。レックスの後継となる軽乗用車で、エンジンは上質な658ccの直列4気筒。主役は無段変速機のECVTだが、RX-RはDOHCスーパーチャージャーに5速MTの組み合わせ
インプレッサWRX(初代)STiバージョン(1994年)。1992年誕生のインプレッサの高性能版として登場したのが2LのEJ20型DOHCターボで武装したWRX。これをSTIがチューニングしたWRX STiが1994年1月に限定発売され、WRCでも大暴れする
インプレッサ22B-STiバージョン。WRCの3連覇達成とスバル車の誕生40周年を記念して、1998年に400台が限定販売された特別仕様車。500万円で発売され、瞬く間に完売する人気を見せた伝説的なスバルの一台
レガシィグランドワゴン(1995年)。2代目レガシィツーリングワゴンから発展したクロスオーバーSUV。2.5Lエンジンを積み、最低地上高を200mmに引き上げている。のちにランカスターと改名し、4代目からアウトバックを名乗った
レガシィグランドワゴン。海外にも影響を与えたクロスオーバーSUVだ
レガシィグランドワゴン
インプレッサWRX(2代目)STIバージョン(2000年)。第2世代のインプレッサWRXをベースに、STIがEJ20型DOHCターボや足にチューニングを施し、S203に代表されるコンプリートカーも送り出された。改良によって丸目、涙目、鷹目と顔も変更
インプレッサWRX(2代目)STIバージョン
インプレッサWRX(2代目)STIバージョン
インプレッサWRX(2代目)STIバージョン
インプレッサWRX(2代目)STIバージョン
レガシィツーリングワゴン(4代目・アイサイト仕様)。全幅を拡大した2003年登場の4代目レガシィは、2008年にADAの後継となる運転支援システム「アイサイト」を搭載したモデルを追加。プリクラッシュセーフティの先駆けとなった
XV(2代目・2012年)。2012年に登場した2代目XVはインプレッサから独立し、単独車種に成長した。スバル初のハイブリッド車も加わっている。また、運転支援システムのアイサイト(Ver.2)を搭載したことでも注目を集めた
XV(2代目)。スバル初のハイブリッドモデルを設定
XV(2代目)
XV(2代目)
XV(2代目)
ここからは個性があふれすぎた珍車をピックアップ。まずはヴィヴィオTトップ(1993年)。大胆にもハッチバックをタルガトップ付きクーペに変身。リアガラスは電動格納式(!)で、狭いが4人乗り。同車はNAだが、後にスーチャーエンジン+CVTのGX-Tも登場
インプレッサグラベルEX(1995年)。RVブームが生んだ個性派クロスオーバー。ハイトな車高、グリルガード、背面タイヤ、2トーンボディなどが特徴。WRCの活躍を武器に、ターボ車のみという硬派な設定だった
ドミンゴアラジン(1996年)。1.2Lエンジンを積む3列シート小型ワゴンである「ドミンゴ」をベースにリフトアップルーフを装備。標準車とキャンプ装備を追加したキャンパーの2種類があった
インプレッサカサブランカ(1998年)。ヴィヴィオビストロの成功を受け、誕生した兄貴分ワゴン。専用前後マスクと上品なボディカラーに加え、内装を小変更。1.5LのNAエンジンと4ATの組み合わせのみであった
プレオニコット(2000年)。その名のとおり、笑顔のフロントマスクが特徴。東京モーターショーのCNGエンジン搭載車用のデザインだったが、好評だったことで市販化。エンジンは低圧SC仕様を搭載
ここからはモーターショーでお披露目された個性派コンセプトカーを。まずはアマデウス(1991年)。フラッグシップクーペ「アルシオーネSVX」をベースとしたシューティングブレーク。モーターショーで披露された3ドア以外に5ドアも想定されていた
ELTEN(1997年)。スバル360をモチーフとしたレトロなハイブリッド4WD車。運転席側1ドアと助手席側2ドアのユニークな仕様で、ルーフにはソーラーパネルを装備する
B9スクランブラー(2003年)。SUV並みの200mmの最低地上高を備えた4WDオープンカー。シリーズハイブリッドや先進安全機能も搭載。後の飛行機モチーフのスバル顔の原点でもある
B11S(2003年)。スペインのFuore社とともに仕上げた観音開き式4ドアを持つ上級クーペ。開発中のフラット6を搭載し、400ps/56.1kgmを発揮。5速ATの4WD車だった