2017年7月、スバルはWRX STI、WRX S4、レヴォーグ3車種ともにほぼ同時期にビッグマイナーチェンジを実施し、「D型」へと切り替わりました。
当サイトは、静岡県伊豆市の修善寺にある「日本サイクルスポーツセンター」で行われた試乗会にて、PCWRCワールドチャンピオンのラリードライバー新井敏弘氏に試乗を依頼。
この3車種を(新型と旧型で)徹底的に乗り比べた。さて、その進化度とはいかほどか?
人気車3台だけにこの夏、購入を狙っている方も多いはず。ぜひ買いに行く前に当記事をチェックしてください!
文:新井敏弘 写真:池之平昌信
ベストカー2017年8月26日号
■【WRX STIの主な変更点】「FFがFRになった感覚!!」
こんちは、新井です。今回の年次改良はかなりのものだと聞いていましたので、期待値はかなり高かったです。タイヤを鳴らせない程度で3車種の旧C型と新D型をガンガン攻めてきました。
新型WRX STIの一番の進化はマルチDCCD(ドライバーズ・コントロール・センター・デフ)のコントロール性でしょうね。
DCCDは今回のビッグマイナーチェンジで、これまでの電子制御と機械制御(トルクカム)の組み合わせから、機械制御を廃止して電子制御のみに変更しましたが、その効果は想像以上a
大げさですが、FFがFRに進化したといえばわかりやすいかな。コーナーの進入、つまり曲がりはじめの回頭性が明らかによくなって、フロントタイヤを旋回方向に使っているのがわかります。
コーナリング中に旋回Gが高くなってもフロントから逃げるような感覚も少なくなり、4輪全体が踏ん張りながらコーナーを曲がるんですよ。
リアのスタビライザーを20mmから19mmに細くしたことによってリアタイヤの接地感も増してタイヤのグリップ感を感じやすく、1段上の運転が楽しい領域に入ったように感じます。
スバルが社内でテストした回頭性と操縦安定性のグラフをみればわかりますが、18mスラロームの通過速度は1.4㎞/hも速くなっています。
しかも新しい19インチタイヤは245/35R19サイズのアドバンスポーツと、18インチのフロント6ポット、リア2ポットのブレンボ製モノブロックキャリパーとローターを採用しているのも大きい。
ブレーキは、旧型では筑波サーキットを走ると3周はもたなかったらしいのですが、新型は30分筑波を走っても大丈夫だそうです。
それにグリル部分で9%、バンパー開口部で23%大きくなっているオーバーヒート対策も評価できます。でも開口部を大きくしたら、最高速度の実測値は255㎞/hから252㎞/hに落ちたそうです。
いずれにしても新型WRX STIの進化度は、旧型を100とすると、120。今までの4WDの走りが嫌いな人にオススメしたいですね。ほんとFRみたいですから。
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