新型レヴォーグ先行予約開始!! 発表は10/15 全情報を徹底紹介

■全長が65mm、全幅が15mm拡大したが最小回転半径は変わらず

 新型の性格は基本的に従来型を踏襲している。ボディサイズは全長が4755mm、全幅は1795mmだ。全長は65mm伸びたが、ボディが大きくなった印象はさほどない。

 外観に躍動感を演出するため、サイドウインドウの下端は後ろに向けて大きめに持ち上げた。従って斜め後方の視界は従来型よりも悪い。最小回転半径は従来型と同じだが5.5mで少し大回りだから、購入時には車庫入れや縦列駐車を確かめたい。それでも新型レヴォーグは、ワゴンの中では運転しやすい部類に入る。

操縦安定性や(走行中の)室内の快適性は各段に向上。あらゆるレベルの運転者が、先代から乗り換えると「おお、進化したな…」とすぐ気づくレベル
操縦安定性や(走行中の)室内の快適性は各段に向上。あらゆるレベルの運転者が、先代から乗り換えると「おお、進化したな…」とすぐ気づくレベル

 車内はミドルサイズワゴンでは十分に広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半だ。4名乗車にも適する。シートの座り心地も向上した。少し硬めだがボリューム感を伴う。前席は背中から大腿部を確実に支えるため、峠道などを走っても着座姿勢が乱れにくい。

 エンジンは新開発された直列4気筒1.8Lターボのみを搭載する。従来型の1.6Lターボは、自然吸気のノーマルエンジンに換算すると、2.5L相当の性能だった。実用的には十分だが、レヴォーグのスポーティな性格を考えると少しパワー不足だった。その点で新型の1.8Lターボは、最高出力が177馬力(5200~5600回転)、最大トルクは30.6kg-m(1600~3600回転)で3Lに相当する。

エンジンは(現時点で発表されている限りでは)新開発1.8Lターボの一種類のみ。従来の1.6Lターボエンジンより排気量も馬力もトルクもアップしていて、さらに燃費(WLTCモード)が向上している
エンジンは(現時点で発表されている限りでは)新開発1.8Lターボの一種類のみ。従来の1.6Lターボエンジンより排気量も馬力もトルクもアップしていて、さらに燃費(WLTCモード)が向上している

 ただし加速感は好みが分かれる。最大トルクの発生領域では、余裕のある加速を行えるが、ターボの特性も相応に強い。アクセルペダルを25%程度一定に踏みながら加速すると、ドライバーが意図した以上に速度を高めようとする。開発者に尋ねると「ターボらしさを意図的に演出した面もある」と返答された。

 従来型には2Lターボもあり、3.8L並みの性能を得ていた。かなりパワフルだったので、2Lターボのユーザーが1.8Lターボの新型に乗り替えると、物足りない気分になるかも知れない。エンジンノイズは従来型に比べると洗練された。音質も改善され、回転感覚が滑らかだ。

■新型プラットフォームがさらに進化

 ステアリングの反応は、従来型よりも正確性を高めた。ステアリングホイールを回し始める段階から、鈍さを感じさせず車両の向きを正確に変える。

 新しい電動パワーステアリングの効果もあるが、この設定はプラットフォームなどを刷新して走行安定性を高めたから可能になった。従来型に同じ操舵感を施すと、挙動変化が唐突になっただろう。新型ではプラットフォームなどの刷新で、挙動変化が滑らかになり、機敏な方向に変更してもバランスが取れている。

 カーブを曲がる時の印象も変わった。従来型は安定性を確保するために後輪の接地性を高め、その代わり状況によっては旋回軌跡を拡大させやすかった。新型はそこを改善して前輪が踏ん張り、操舵角に応じて正確に回り込む。

 後輪の接地性も高いから常に安心できて、なおかつカーブを曲がっている時に意図的にアクセルペダルを戻すと、車両を内側へ向けることも可能だ。適度な曲がりやすさと高い安定性を両立させ、ドライバーが積極的に操る領域も拡大した。

縦に大きいセンターコンソールの大画面モニターが目をひく(11.6インチインフォメーションディスプレイ)。情報パネルは豊富かつ便利。エアコンの温度設定はアナログボタンなのも地味だけど使い勝手よし
縦に大きいセンターコンソールの大画面モニターが目をひく(11.6インチインフォメーションディスプレイ)。情報パネルは豊富かつ便利。エアコンの温度設定はアナログボタンなのも地味だけど使い勝手よし

 ちなみに新しいプラットフォームを使ったインプレッサが登場したのは2016年だから、今では4年を経過する。解析も進んで特性が把握され、新型ではフルインナーフレーム構造なども採用してボディ剛性も高めた。その結果、操る楽しさを安心して味わえる。

 ボディ剛性が高まって足まわりが正確に伸縮すると、乗り心地も快適になる。全般的に少し硬いが、大きめの段差を乗り越えた時の突き上げ感を抑えた。

 最上級グレードのSTIスポーツには、ドライブモードセレクトが採用される。コンフォート/ノーマル/スポーツ/スポーツ+が設定され、電子制御式ショックアブソーバーの減衰力、電動パワーステアリングの操舵感、アイサイトの反応などを3段階に調節する。4WDの設定は2段階だ。

 カーブを曲がったり車線変更する時は、コンフォートモードでも自動的に硬めになるから、どのモードでも最良の安定性が得られる。市街地でコンフォートモードを選ぶと、乗り心地が柔軟になってパワーステアリングも軽くなる。

 開発者は「夫婦でクルマを選ばれる時、ダンナさんがレヴォーグを希望しても、パワーステアリングが重かったりすると奥様から敬遠されてしまう。そこでコンフォートモードでは、軽い操作感で快適に運転できるようにした」と説明した。

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