爽快な走りを予感させる1Lターボエンジン
パワートレインは、1.0LターボエンジンにCVTを組み合わせる。詳細スペックは明かされていないが、HRA0型であることが示されている。
これは海外向け小型セダン「アルメーラ」にも搭載されるものだ。同エンジンは、最高出力100ps、最大トルク152Nmを発揮。SUVなので、チューニングを加え、性能向上を図るかもしれない。
先進機能は、アラウンドビューモニターを採用。それ以外に目新しいものはないが、上級装備パッケージとして「テックパック」が用意されるようで、「ワイヤレスチャージング」「空気清浄機」「プレミアムJBLスピーカー」「アンビエントライト」などが装備として紹介された。
“日産顔”Vモーショングリル非採用に隠された事情
最大の注目点は、最新の日産車でありながら、Vモーショングリルを採用しない点だろう。
これは、マグナイトの置かれる環境が変化したことが原因。そもそもマグナイトは、日産ブランドではなく、ダットサンブランド向けに開発されていたモデルなのだ。
それは、ダットサンブランドの象徴である特徴的な大型ヘキサゴングリルが証明している。新興国向けのエントリーブランド「ダットサン」の展開は、元CEOのカルロス・ゴーン氏の肝入りであったが、思惑通りには進まず、日産の重荷となっていた。
そのため、「Nissan NEXT」では、すでにダットサンビジネスの縮小が明言されており、今後、時期を見て日産ブランドに統合されるとみられる。
マグナイトの日産ブランド車へのシフトが、どのタイミングで計られたのかは不明だが、ダットサンブランドのフラッグシップとして、感度の高い若い世代を狙っていたと見られるだけに、価格と性能をバランスさせた意欲作となっているだろう。
ただ、マグナイトの日産モデル化は、ネガティブではなく、むしろ追い風だ。もっとも新興国向けモデルだけに、投入市場は吟味されると見られ、小型SUV市場が過熱する日本への導入は極めて低い。
いっぽうでデザインなど小型SUVの方向性は、新生日産の今後を期待させる部分もある。日産の今を知る意味では、日本のファンにとっても期待の一台といえそうだ。
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