マツダ MX-30に乗ってわかった! SUV最激戦区を駆け抜ける魅力

■懐に飛び込んでわかる MX-30の魅力とは

 まず心地よかったのは、完全にゴーイングマイウェイなそのキャラクターですね。

2L+24Vマイルドハイブリッドの走りは、肩の力を抜いた気負わない「ふつうの走り」を演出してくれる
2L+24Vマイルドハイブリッドの走りは、肩の力を抜いた気負わない「ふつうの走り」を演出してくれる

 最近のマツダのクルマはデザイン命なところがあるが、MX-30‌は肩の力が抜けてリラックスできるのがボクの好み。

 デザインの完成度はマツダ3やCX-30同様ハイレベルなのだが、居心地のよさを感じるという点ではコイツがいちばんなのだ。

 特徴的なフリースタイルドアについても、基本ふたり乗りと考えるならパーソナル感があってむしろOK。最近流行りのクーペSUVのバリエーションとして、キャラ作りの大きな武器となっている。

もはやおなじみとなってしまったフリースタイルドアだが、やはりワクワクするものがある
もはやおなじみとなってしまったフリースタイルドアだが、やはりワクワクするものがある

 走りっぷりについては、いい意味ですごくふつうだ。

 SKYACTIV-Xの時には期待値が高すぎてその反動でガクッときた部分があったが、今回の2L+24Vマイルドハイブリッドはその逆。

 素直なトルク特性で回せば6000rpm以上まできれいに吹き上がり、久々にコンベンショナルな自然吸気も悪くないと実感した。

観音開きゆえ前席を開けねば後席は開けられないが、専用設計のヒンジの採用により、フロント82度、リア80度まで開くため、ひとたび全開にしてしまえば、乗降性自体はかなり良好
観音開きゆえ前席を開けねば後席は開けられないが、専用設計のヒンジの採用により、フロント82度、リア80度まで開くため、ひとたび全開にしてしまえば、乗降性自体はかなり良好
後席に乗り込むとこんな感じ。頭上まわりの空間は余裕たっぷりという感じではないが、膝まわりには余裕あり。後席窓は開かないので、そこは覚えておいたほうがいいかもしれない
後席に乗り込むとこんな感じ。頭上まわりの空間は余裕たっぷりという感じではないが、膝まわりには余裕あり。後席窓は開かないので、そこは覚えておいたほうがいいかもしれない

 さらにいえば、こんなに個性的でグッドデザインなクルマが約250万円からと、価格も超リーズナブルだ。

 もちろん、真打はこれから登場するEVやロータリーエンジンを使ったレンジエクステンダーなどの電動モデルだけど、幕開けとなるこのマイルドハイブリッド仕様も、なかなかに魅力的なパーソナルカーに仕上がっている。

 こういう、あとからデレっとくるクルマは、長く愛されてロングセラーになる可能性大だと思うな。

試乗前は少し否定的だった鈴木氏も試乗後はこの笑顔。MX-30には理屈度外視の不思議な魅力があるのだ
試乗前は少し否定的だった鈴木氏も試乗後はこの笑顔。MX-30には理屈度外視の不思議な魅力があるのだ

■チョット気になる CX-30との走りの違いは?

 MX-30とCX-30は基本的に同じプラットフォームで、パワートレーンもほぼ共通。

 いちばんの違いは、これまでSKYACTIV-X専用だった24Vマイルドハイブリッドが、コンベンショナルな2Lガソリンエンジンと組み合わされたことだ。

 このマイルドハイブリッドに関しては、発進時のごく初期の蹴り出しなど差があるはずだが、注意深く観察してやっとわかる程度。

 事実上は主にアイドル停止からの復帰のスムーズさがメリットだ。

 それより、意外にその差が感じられたのは乗り心地と静粛性。足のセッティングはMX-30のほうがややまったり方向の味つけと言えそうだ。

全長と全幅、そしてホイールベースがMX-30と同寸のCX-30。だが走り味は微妙に異なる
全長と全幅、そしてホイールベースがMX-30と同寸のCX-30。だが走り味は微妙に異なる

■MX-30主要諸元
・全長×全幅×全高:4395×1795×1550mm
・ホイールベース:2655mm
・最小回転半径:5.3m
・車両重量:1460kg(1520kg)
・エンジン:直4DOHC+モーター
・総排気量:1997cc
・最高出力:156ps/6000rpm
・最大トルク:20.3kgm/4000rpm
・モーター出力:6.9ps/5.0kgm
・トランスミッション:6速AT
・WLTCモード燃費:15.6km/L(15.1km/L)
(  )内の数字は4WD

【画像ギャラリー】ここでしか見られない写真多数! 新型MX-30試乗の様子をギャラリーで見る

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