■エクステリアの細部には空力機能がたくさん
エクステリアで大きく変わったのが、フロントおよびサイドからのシルエットだ。フロントは、初代ヴェゼルのなだらかに傾斜するフェイスから、切り立ったフロントノーズへと変わり、薄目で存在感のあるヘッドラライト、ボディと同色のグリルなど、旧型ヴェゼルとは明らかにコンセプトを変更してきた。サイドシルエットは、フロントフェンダーからテールランプまでつながるラインによって、清潔感のあるデザインとなっている。
ルーフ後端から大胆にカットし、大きく寝かせたバックドアによって、トヨタ『ハリアー』やマツダ『MX-30』のようなクーペライクなSUVへと大変身させてきた。全長は変更していないそうだが、伸びているように見えるデザインだ。リアは、左右連結タイプのテールランプが特徴的。そのテールランプは、小さなチップが集まったような模様を織り込んだデザインが新鮮だ。
設計担当エンジニアによると、エアロダイナミクスには相当こだわったという。例えば、フロントグリルサイドにあるインテークから取り入れた気流を、フロントタイヤの前側から出し、フロントタイヤが巻き起こす空気の乱れを整える、エアスクリーンとして機能させているという。欧州車やスポーツカーが採用している流行の技術だ。また、サイドシルの後端にある形状も工夫し、リアタイヤ付近の気流を整えているという。
さらには、ボディ表面を流れてきた空気が剥がれる際に起こる「空気の渦」を、できるだけ車両後方に飛ばすための、工夫も織り込まれている。ルーフ後端や、テールランプに付いた段差が、その役割を担っているそうだ。「神は細部に宿る」と言われるように、新型ヴェゼルには、見せない部分へも技術のこだわりが、ふんだんに織り込まれている。こうした積み重ねが、WLTC燃費25.0km/Lの達成に貢献しているのは間違いないだろう。
■欧州の香りがするインテリア リアウィンドウには「隠しヴェゼル」も!?
インテリアは、部分的にソフトパッド化されたインパネやダッシュボードの質感が増し、ワンランク上のクオリティを感じさせる。ステアリングホイールやメーターデザインも、一時期のホンダのインテリアに多かった青々としたド派手なものから脱皮して、欧州車のような雰囲気だ。9インチのナビゲーションモニターも、もっとも見やすい位置に鎮座しており、非常に操作しやすい。
エンジニアの遊び心も、デザインには織り込まれている。同社の「Nシリーズ」のN-WGNなどには、某テーマパークの「隠れ○ッキー」のように、クルマのどこかに「N」という文字が隠れているが、この新型ヴェゼルにも「隠しマーク」が仕込まれている。ひとつは、リアウィンドウの下側に、コンセプトである「AMPマーク」と「ヴェゼルのシルエット」があった。さらに、PLaYグレードにはもう一カ所ある。そこはぜひとも実車を見て探してみてほしい。
なお、コネクティッド機能も新世代に進化、「HONDA Total Care プレミアム」として登場した。いくつかの機能があるが、我々がお世話になる頻度が高いのは、自動地図更新サービス、車内Wi-Fi、緊急サポートセンター、といったところだろう。ただし、有料のサブスクリプションになるという。自身の使い方を考え、課金する価値があるのか、その必要性を考えてみるのがいいだろう。
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