CX-5にCX-3、そしてCX-8と、SUVモデルのラインナップを増やしてきたマツダ。9月20日、そのマツダSUVラインナップに新たなモデル、CX-30が加わった。発売は10月24日から順次の予定となっている。
「マツダ3」の売れ行きがイマイチぱっとしない、なんてことばかり伝えられている最近のマツダだが、このCX-30や、マツダ3のSKYACTIV-Xの登場を見届けてから決めよう、なんなら東京モータショーで自分の目で確かめてみよう、と考えている人もいるのかもしれない。
そんな諸兄のために、今回はこれからのSUV戦線の主役となるかもしれないCX-30の魅力を余すところなくお伝えしたい。
●【画像ギャラリー】 マツダ期待の新鋭「CX-30」の姿をギャラリーでチェック!!!
※本稿は2019年9月のものです
文:ベストカー編集部/写真:MAZDA、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年10月26日号
■マツダならではの流麗なデザインにSUVらしい力強さをプラス
CX-30はマツダ3から始まった第7世代商品群の第2弾にあたるモデル。
その外観はキャラクターラインなどを削ぎ落とし、光の移ろいで造形を際立たせる深化した「魂動デザイン」を採用。
ボディ下部に黒いガーニッシュを使用して差別化することで、SUVらしい力強さを表現している。

全長4395mm×全幅1795mm×全高1540mmのボディは、CX-3に比べ120mm長く、30mm広い。
ホイールベースも80mm長く2655mmとなっているが、最小回転半径は変わらず5.3mをキープ。細くすることを意識して作られたAピラーと相まって、かなり扱いやすいモデルといえるだろう。

そのボディに収まるエンジンは、2LガソリンのSKYACTIV-Gと1.8LディーゼルターボのSKYACTIV-D、そしてガソリンとディーゼルのいいとこ取りを果たしたSKYACTIV-X(2L)の3種。
それぞれFFと4WDが用意され、2LガソリンとSKYACTIV-Xでは6ATのほか6MTも選択できる。
●SKYACTIV-G 2.0

●SKYACTIV-D 1.8

今回は撮影会のため、走りの性能を確かめることはできなかったが、ベースとなっているのがマツダ3であり、パワーユニットも同一ということであれば、優れた走行性能を持っていることは容易に予想できる。その点では心配いらないだろう。
SUVだからこそ気になる最低地上高は175mmを確保。さらに対角線スタックに陥った時などに効果を発揮する新開発の「オフロード・トラクション・アシスト」も採用され、昨今のSUVが軽視しがちな悪路走破性も充分だ。

■ユーティリティでCX-3を上回る
サイズ的にCX-3と近いことで、キャラクターのカブりが懸念される。
確かに扱いやすくスタイリッシュなSUVという点では性格が似ているともいえるが、実用性の面から話をすればCX-30はCX-3を大きく凌駕している。
前席はCX-5同等の乗員間距離を実現して窮屈感のない快適性を提供。

CX-3ではスタイルを優先して犠牲となった後席居住性も、前後席間で+26mm、ヘッドスペースで+20mm、フロアも20mm下げたことで、180cm級の大人が前席に座った状態で後席にも同じく180cm級の大人が余裕を持って座ることが可能となった。

ラゲッジユーティリティに関しても優秀だ。大型ベビーカーと旅行用バッグなどを同時に収納できる430Lの荷室容量と、最大1020mmの開口幅を確保。地面からラゲッジ開口部下端までの高さを731mmとすることで積載性を高めた。
さらに電動でリアゲートを開閉できる「パワーリフトゲート」を最廉価グレードである20S以外に標準装備とするなど、使う人の側に立った使い勝手のよさを実現している。

マツダの最新SUV、CX-30はスキのないクルマだ。大人4人が乗った状態でのあらゆる使用において、不満が出ることはないだろう。
あとは10月24日から買えるガソリンおよびディーゼルエンジンから選ぶか、登場時期が来年1月以降となっているSKYACTIV-Xを選ぶか、だ。そこはぜひとも大いに頭を悩ませてほしいポイントだ。

■対角線スタックにキク! 新開発! 「オフロード・トラクション・アシスト」
CX-30に採用された新技術「オフロード・トラクション・アシスト」。
これは悪路でスタックした場合にも、i-ACTIV AWDとトラクションコントロールとの協調制御により、接地輪への駆動力伝達を最大化することで、スムーズな脱出を実現するというもの。

スイッチはステアリングコラム右下にあるので、いざという時は頼りにしよう。CX-30は悪路もかなり頑張ってくれる。頼りになるSUVだ。
■CX-30 価格リスト

■CX-30 主要諸元
