【新型コロナで大ピンチ!?】各社を支える実力派!! 北米で売れてる国産車

 新型コロナウイルスが依然として猛威を振るっている。感染された皆様には、心から御見舞を申し上げたい。自動車産業に与える影響も甚大で、世界各国の生産拠点が操業停止に追い込まれている。

 日本メーカーの工場が多い北米も深刻だ。トヨタはアメリカ、カナダ、メキシコのすべての工場における生産を停止して、その期間を4月17日まで延長すると発表した。ホンダやスバルも4月上旬までの生産停止を明らかにしている。

 そこで、日本メーカーが北米市場で販売している主力車種を考えてみたい。

文:渡辺陽一郎
写真:SUBARU、NISSAN、TOYOTA、HONDA

【画像ギャラリー】トヨタ、日産、ホンダ!! 国産メーカーの海外専売モデル 全10台!!!


トヨタ、日産は全体の4分の1をアメリカで生産!!

日本未発売のピックアップトラック「ナバラ」。フロンティアなどと合わせて年間グローバル販売は21万6000台と、日産で7番目に多い大黒柱だ

 もともと北米は、日本メーカーが海外に本格的に進出した最初の市場だった。

 1960年代までのアメリカ車は、道幅が広く長距離移動の機会が多いこともあって大型車が中心だったが、1970年代に入ると状況が変わった。

 1973年に第4次中東戦争が勃発して、原油/ガソリン価格などが高騰するオイルショックに発展したからだ。燃費性能の優れたクルマが求められ、コンパクトな日本車の輸出が急増した。

 その結果、貿易摩擦が発生して国際問題になり、1980年代に入ると日本メーカーは北米に工場を建設している。北米で生産すれば、日本からの輸出と違って現地の雇用や経済発展に貢献できるからだ。

 自動車産業は部品メーカーも含めて規模が大きいため、北米の工場で生産すれば、北米に与える経済効果も大きい。

 そして今でも、日本車メーカーの生産台数に占めるアメリカの割合は多い。トヨタは2019年にアメリカで238万台を販売しており、トヨタの世界生産台数の26%を占める。

 日産は135万台で、同様に販売総数の26%だ。カナダやメキシコを加えた北米市場全体になると34%に達する。

 今は以前に比べると各メーカーとも中国などの販売台数を増やしているが、それでも北米は1970年代から続く重要な市場だ。ピックアップトラックやLサイズSUVなど、日本で売られていない北米向けの車種も多い。

3大国産メーカーのSUVは米国でも大ヒット!

トヨタ RAV4/北米販売台数:約45万台(日本販売台数:約5万4000台)

 北米販売の好調な日本車の筆頭はトヨタ RAV4だ。2019年には約45万台を販売した。月平均でも4万台近くに達する。RAV4の売れ行きはほかの地域でも好調で、SUVのベストセラーだから、トヨタを支える基幹車種に成長した。

 それだけに生産停止期間が長引くと、トヨタに与える影響は大きい。もちろん優先すべきは人の命と健康だから、感染が収束するまで生産や販売を停止しなければならないが、RAV4の与える影響は大きい。

ホンダ CR-V/北米販売台数:約38万台(日本販売台数:約1万3000台)

 北米で売れる日本車で、RAV4に次ぐのはホンダCR-Vだ。2019年には38万台を販売した。日本におけるCR-Vの売れ行きは1万3000台だから、北米では日本の30倍近くを売っている。

日産 ローグ・エクストレイル/北米販売台数:約35万台(日本販売台数:約3万7000台)

 日産ではローグ(日本名:エクストレイル)の売れ行きが好調だ。2019年には35万台を販売した。

 日産も他メーカーと同様、北米にSUVを積極投入しており、Lサイズのムラーノ、ひとまわりコンパクトなローグスポーツ、さらに日本での発売が予定されているキックスなどがある。

 これらのラインナップの中で、中心に位置するのがローグだ。ローグ&エクストレイルの世界販売台数は68万台近くに達するから、日産を支える基幹車種だ。

 ちなみに2019年の日本におけるエクストレイルの登録台数は3万7000台であった。北米の35万台、世界販売の68万台に比べると圧倒的に少ないが、国内におけるSUV販売では、ハリアーなどと並んで中堅水準に位置する。

カムリを筆頭にセダンも圧倒的な人気

トヨタ カムリ/北米販売台数:約34万台(日本販売台数:約1万9000台)

 以上の3車種はすべてSUVだ。ほかのカテゴリーでは、セダンのトヨタカムリが注目される。34万台を売り、トヨタの北米販売ではRAV4に次ぐ人気車だ。

 国内でも2019年には1万9000台ほど販売したから、オデッセイよりも少し多い。人気が低迷するLサイズセダンでは好調な部類に入るが、さすがに北米に比べると圧倒的に少ない。

 このほかにも北米では日本車のセダンが販売され、ホンダ シビックは33万台、トヨタ カローラが30万台、ホンダ アコードが27万台という具合だ。

 カムリも含めてこれらのセダンは、1990年頃までは国内でも好調に売れていた。しかしその後は、3ナンバー車の税制不利が撤廃されたことを受けて、カローラ以外はボディを拡大させていく。

 デザインなどを含めたクルマの性格も北米指向が強まり、2000年代に入ると、カムリ/シビック/アコードは、日本国内における売れ行きを大幅に下げた。

 その代わり北米ではしっかりと売れ続けている。カローラについては、3ナンバーサイズになった国内版のカローラとはホイールベース(前輪と後輪の間隔)と全長が異なり、後席の足元空間にも余裕がある。

日産やスバルも! そのほか北米で人気の国産車は?

スバル レガシィアウトバック/北米販売台数:約18万台(日本販売台数:約4000台)

 日産のセダンではセントラがあり、北米で2019年に18万台以上を販売した。

 セントラ+シルフィ+ティーダセダンの姉妹車合計では71万台近くに達するから、世界的に見れば日産のベストセラーで、ローグ&エクストレイルの68万台と並んで日産を支える存在だ。

 スバルではアウトバック(日本名はレガシィアウトバック)が18万台を販売した。レガシィセダン(日本名はB4)も5万台だから、合計すると23万台に達して堅調だ。

 日本ではアウトバックとB4を加えたレガシィ全体でも5000台だから、北米向けの商品に発展した。

 ちなみに2019年における国内の新車販売状況を見ると、軽自動車が38%に達して、コンパクトカーも25%を占める。国内販売のトップ3車はホンダN-BOX、ダイハツタント、スズキスペーシアの軽自動車で占められ、以前に比べると売れ筋車種が大幅に変わった。

 その点で北米を中心とした海外では、かつての日本車の主役が今でもメーカーを支えている。この売れ行きが下がれば、日本メーカーの存亡にかかわる。

 一刻も早く有効な治療薬が普及して、感染が収まることを祈りたい。それまでは充分に注意をしながら、冷静に判断して、自分ができることを淡々と進めたい。

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