昨年(2019年)秋から今年年初にかけて、各タイヤメーカーからサマータイヤの新商品が相次いで発表されている。
そんなわけでサマータイヤ特集である。毎年恒例、スノーシーズンが終わりを告げたこのタイミングでサマータイヤに履き替えるのなら、思い切ってニュータイヤに交換する! というのはいかがだろうか!!?
今回はブリヂストン「ポテンザRE-71RS」、ダンロップ「ビューロVE304」、横浜ゴム「ジオランダーCV G058」「ブルーアース4S AW21」をレビュー!
●2019年秋~2020年NEW TIRE TOPICS
・ダンロップ「ALL SEASON MAXX AS1」(2019年8月5日発表)
・横浜ゴム「ブルーアース4S AW21」(2019年10月23日発表)
・ダンロップ「エナセーブNEXTIII」(2019年10月30日発表)
・グッドイヤー「イーグルF1アシメトリック5」(2019年11月5日発表)
・横浜ゴム「ブルーアースXT AE61」(2019年12月5日発表)
・横浜ゴム「ジオランダーCV G058」(2019年12月5日発表)
・ミシュラン「エナジーセーバー4」(2019年12月10日発表)
・ブリヂストン「プレイズPXII/PX-RVII」(2019年12月11日発表)
・グッドイヤー「Efficient Grip ECO EG02」(2020年1月9日発表)
・ブリヂストン「ポテンザRE-71RS」(2020年1月15日発表)
・ブリヂストン「ポテンザアドレナリンRE004」(2020年1月16日発表)
・ダンロップ「ビューロVE304」(2020年1月16日発表)
・グッドイヤー「ラングラーAT サイレントトラック」(2020年1月17日発表)
●【画像ギャラリー】各社新作を続々投下!!! 各モデルをギャラリーチェック!!!
※本稿は2020年4月のものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年5月10日号
■国内メーカーが相次いでオールシーズンタイヤ投入!!
ここ最近はウエット性能と低転がり抵抗性能をアピールするエコタイヤが新商品の主流だったが、今年はブリヂストンがポテンザRE-71RSとポテンザアドレナリンRE004を投入。ハイグリップスポーツタイヤのニューモデルが登場した。
また横浜ゴムはジオランダーCVとブルーアースXTというオンロード指向のSUV用タイヤの新商品を2種投入。
CVはM+Sであるのに対し、XTは「ブルーアース」ブランドとしていることからもわかるように、よりオンロード指向を強調したタイヤとなる。
その他、グッドイヤーはエコタイヤの「E Grip ECO EG02」を、ミシュランは同じくエコタイヤの「エナジーセーバー4」を投入した。
また、国内各メーカーが相次いでオールシーズンタイヤを投入してきたのも印象的だ。
■ブリヂストン ポテンザRE-71RS
●究極のグリップ性能&コントロール性でサーキットでのラップタイムを削り取る!
・サイズラインナップ:155/60R13~275/30R19(全63サイズ)
・実勢価格:2万4000円(215/45R17)
●ポテンザRE-71RSのここがポイント
・新開発非対称トレッドプロファイルにより、コーナリング中の接地面を最大限に引き出す
・アウト側ショルダーブロック剛性を高めることで高いコーナリング限界を実現
・スポーツタイヤにもかかわらず、21サイズでタイヤラベリング「C-b」を達成
・耐摩耗性能をRE-71Rに対し5%引き上げたロングライフ性能
●どんなタイヤだ!?
ポテンザの最高峰として「RE-71R」がデビューしたのが2015年のことだった。それから5年、さらに性能を引き上げて登場したのが「RE-71RS」だ。
開発陣は口を揃えて「71Rの性能をどこかひとつでさえ落とすことなく、すべての面で性能を引き上げるということは、とても大変なことだった」と言う。
それはそうだ。71Rはすでに充分にハイレベルのスポーツタイヤで、高いグリップ性能とコントロール性能を両立している。それはあたかも乾ききったタオルをさらに絞って水滴をにじみ出させるような作業だったことだろう。
開発目標は「ストリート~サーキットまで、あらゆるコンディションで高いドライ&ウエット性能を発揮する」だ。
徹底的に追求したのがコーナリング中の路面との接地面積を高めること。横Gがかかるコーナリング時を想定し、アウト側とイン側でパターン変形を均一化する新形状トレッドデザインを採用。
さらにトレッド面をゾーンに分割しラウンド形状の最適化をすることで、コーナリング中の接地面積を71Rに対して6%拡大。
また、トレッドゴムの配合を「より路面に食い込む」新配合とすることで、路面との接触面積が11%増大。これらにより、筑波サーキットコース2000でのラップタイム2%アップを実現している。
こう説明すると、ソフトコンパウンドでガンガンゴム削ってタイム出しているんじゃない!? と思われるかもしれないが、71RSは71Rに対して5%耐摩耗性も向上しているのだ。これは、接地面積が均一化されたことでトレッド面の負担が平均化され、結果、ゴムの減りが抑えられるためだという。
●乗ってどうだ!?
開発ドライバーの一人、山野哲也選手が今回の筑波コース1000でタイムアタックすると、71Rで38秒250だったものが、71RSだと37秒746にタイムアップ。1000mのコースで0.504秒のアップは驚異的だ。
ベストカー編集部員のドライブでどこまで差を掴み取ることができるのか!? と思ったら、比較試乗をすれば手に取るようにその差は明確。ひと言で言うならば、「71RSは懐の深いハイグリップタイヤ」ということだ。
71Rは確かに高性能。しかし、フルブレーキングからのターンインなどで滑り出しの微妙な過渡領域を感じ取りにくい場面がある。グググと粘って、パン! と滑り出す。
同じ乗り方で71RSだとグググと粘るのは同じなのだが、そこからスッスッと滑り出しを伝えてくれる。ここがわかりやすいので、次のラップで「もうちょっと突っ込んでみよう」の判断がしやすいのだ。
コーナー立ち上がりも同様。71Rだとアクセルをジワリジワリと踏み込んでグリップ限界を探る乗り方だったのだが、71RSだと早いタイミングでガバッと開けてトラクションを掛けて立ち上がっていけるのだ。
これはつまり安心感であり、心の余裕に繫がる。自信を持ってコーナーに飛び込んでいけるので、サーキット走行がより楽しくなる。しかもタイムも速い。71RSはとても「優しい」スポーツタイヤだ。
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