スバルとは対照的!? 『電子制御を駆使した』マツダの新世代4WD
マツダはi-ACTIV AWDという、リアデフ直前に電子制御クラッチユニットを用いたAWDシステムを採用している。
システムとしてはFF車をベースにAWD化するのによく用いられているが、マツダのユニークな点は、さまざまなセンサーとDSC(横滑り防止装置)のブレーキ制御を組み合わせ、100対0から50対50までのトルク配分やブレーキによる車輪速制御を駆使して最適なトラクション、操縦性、燃費などを考慮しているところ。
例えば、坂道の具合やワイパーのオン/オフといった情報までセンシングしてAWD制御をしている。わりとポピュラーな4WDシステムの電子制御を積極的に使って性能を高めているのが、マツダの4WDに対するアプローチなのだ。
アナログなスバルとデジタルのマツダ 実力差は僅か
というものの、視点の置き方で4WD性能の評価は大きく違ってくる。今回は悪路走破性=4WD性能という観点で、というオーダーがあったので走破性、トラクション性能を重視して評価をしてみることにした。
マツダのi-ACTIV AWDと直接的なライバルは、スバルのVTD、X-MODE付きACT-4、ACT-4だろう。
では、マツダi-ACTIV AWDの実力はというと、X-MODE付きのACT-4とほぼ同程度の性能だと思う。
トラクション性能だけを見るとスバルのほうが優位だと思うが、滑りやすい平たん路での曲がりやすさ、発進の容易さは限界領域でないかぎり、マツダもスバルに負けていない。
ただ、4輪の駆動トルク制御はマツダのほうが緻密だ。ここまで電子制御でいろんなことができるようになると、場面によってはシステムの優秀さをプログラムが凌駕する場面も出てくるということだ。
総合的に見ると、スバルの勝ち。しかし、電子制御を駆使した新世代の4WDは、作り方によっては侮れないパフォーマンスを発揮する。マツダのi-ACTIV AWDはその最右翼だろう。
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