グレイス ジェイド シビックセダン惜別試乗 さらばホンダの名バイプレイヤーたち

■清水草一があらためて評価「ジェイドとグレイスの消滅は惜しい」

 個人的には、ジェイドとグレイスの消滅は惜しい! この2台は確実に刺さる部分を持ったクルマだった。少なくとも私には。ホントですウソじゃないです。どっちも一瞬真剣に欲しいと思ったもん!

 ジェイドはものすごくスタイリッシュで、走りもよかったんだよね。あの重心の低さ、ステアリングレスポンスのよさはカーマニアを唸らせた。1.5Lハイブリッドは遅かったけど、1.5Lターボなら動力性能もOK! 

 3列目シートを緊急用と思えば、パッケージングだってオシャレさん! 走りを捨てられない中高年のクルマ好きなら、理想のファミリーカーとして一度は夢想したんじゃないか?

 ただ、価格設定があまりにも高すぎた。それに尽きる!

ミニ3シリーズと清水氏が太鼓判を押すグレイス。編集部の馬場も同じことを言っていたゾ

 グレイスも、ミニ3シリーズっぽい端正なルックスだったし、走りもステキ! ジェイドより軽かったから、1.5Lハイブリッドで充分軽快に走ってくれたんだよね。

 でもまあ、小型セダンってカテゴリー自体、日本じゃあまりにも厳しいからねぇ。そのわりには健闘したと思うのであります!

 この2台に関しては、新車販売は終了しても、中古車としてはこれからが狙い目だ。まだ全然死んでないぜ!

 シビックセダンに関しては、さすがに「死んだ」と申しましょうか……。グローバルでは世界で3番目に売れてるクルマだし、デキには文句はないですが、日本ではムダにデカすぎ。

 シビックハッチバックみたいなスポーティなイメージもなかったし、つまりウリがまったくなかった! それじゃ売れなくてアタリマエだ。中古車としての魅力もナイ! 日本に導入したこと自体が軽いミステイクだったと思うであります。是非もなし。

今回撮影に使わせていただいたグレードの主要諸元

■後継車のない絶版ホンダ車たち

(車両解説/永田恵一)

 後継車なく絶版となったホンダ車たちを自動車評論家の永田恵一氏が7台セレクト。こうやって見ると、個性的でアクが強いクルマが多い。ホンダ、とんがってます。

●S2000(1999~2009)

S2000(1999~2009)

 2005年のモデルチェンジまでは9000回転回る250馬力の2L NAを積む、ほとんどが専用部品のFRリアルオープン2シータースポーツ(モデルチェンジ後は2.2L、242馬力になり、レブリミットは8000回転に)。販売台数の少なさと高コストという理由で後継車が出ないのはわかるが、横置きミドシップだったら望みはないだろうか。

●CR-Z (2010~2017)

CR-Z (2010~2017)

 2代目フィットと深い関係のある、アシスト型で簡易なハイブリッドとなる1.5LのホンダIMAを搭載したライトな3ドアクーペ。悪くないクルマだったが、価格を考えるとスポーツモデルらしい速さや楽しさに欠けるのも事実で、直接的な後継車の登場は絶望的だろう。

●インテグラ(1985~2007)

インテグラ(1985~2007)

 もともとミドルクラスの3ドアクーペと4ドアハードトップで、最終的にはプレリュードも統合した3ドアクーペとなった。15年ほど前のクーペ絶滅期に絶版となったが、CR-Zとインテグラを統合した後継車としてアメリカ製のシビッククーペがあってもいい。

●ラグレイト(1999~2005)

ラグレイト(1999~2005)

 全長5mオーバー×全幅約1.9mの巨大なボディに3.5L V6を搭載したアメリカンなビッグミニバン。ビッグミニバンらしい魅力はあったが、いかんせん日本では大きすぎ絶版となった。アメリカ製だけにグランエース人気も考慮して実験的でもいいから復活を望む。

●エレメント(2003~2005)

エレメント(2003~2005)

 2代目CR-Vをベースに、センターピラーレスの観音開きドアや汚れに強いインテリアを持つアメリカ製SUV。初期モデルで消費税抜き259万円という価格の高さで売れず、後継車がないのもわかる。トヨタTjクルーザーの影響を受けた復活に期待したい。

●アコードワゴン(1989~2008)

アコードワゴン(1989~2008)

 初代と2代目はアメリカ製で、最終的にアコードツアラーとなったステーションワゴン。ミニバンながら全高を低くした3代目&4代目オデッセイとのバッティングもあり4代目で絶版となった。中国で販売される同クラスのクロスオーバーが後継車に近いか?

●初代インサイト(1999~2006)

初代インサイト(1999~2006)

 空気抵抗低減を極め、軽量化のためアルミ製とした2シーターの3ドアクーペボディに、1L3気筒+ホンダIMAハイブリッドを搭載した燃費追求の実験車のようなモデル。技術レベルは高いが、実用性や普遍性に欠けるため絶版になったのもわかる。ただ、インサイトという車名は今も消えていない。

次ページは : ■まとめ

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