スバル販売戦略の思惑 一気に9車種販売休止!! 台数激減でも自信満々


スバルは効率のいい商売をしている

 ここまで販売台数が下がっても販売会社が維持される背景には、スバルの店舗数が少ないことも影響しているだろう。全国に展開されるスバルの店舗数は約460箇所だ。

 トヨタ4系列を合計すると約4600箇所だから、スバルは10%の規模に収まる。ホンダは約2170箇所、日産は約2080箇所だ。

 そこで2020年度上半期における1店舗当たりの販売台数を割り出すと、スバルは88台(1カ月平均なら15台)、トヨタは141台(同24台)、ホンダは130台(同22台)、日産は98台(16台)になる。

スバルはジャスティをダイハツトールのOEMとして販売中。2020年9月24日にマイチェンによりよりスポーティにリフレッシュ

 スバルの1店舗当たりの台数は少ないが、販売台数が昨年に比べて42%も減った割には、トヨタ、ホンダ、日産と比較してあまり変わらない。

 さらにスバル車は、価格が全般的に高い。OEM軽自動車も国内で売られるスバル車の20~25%を占めるが、75%以上は小型/普通車だ。

 そしてスバル車の中では価格の安いインプレッサも、売れ筋価格帯は220万~260万円になる。その次に売れるフォレスターは、300万円前後が中心だ。

 いっぽう、ホンダでは軽自動車の比率が50%以上に達する。最多販売車種のN-BOXは、軽自動車では高価な部類に属するが、カスタムでも売れ筋グレードは170万~180万円だ。インプレッサに比べれば安く、N-WGNは中心価格帯が150万円前後まで下がる。

 日産も軽自動車の比率が45%前後で、残りはノートとセレナだ。セレナは高価格だが、ノートはハイブリッドのe-POWERが中心ながら、価格はインプレッサと大差ない。

スバルはオリジナル軽自動車の開発・生産から撤退し、現在はダイハツからOEM供給を受けていて、軽自動車依存度は低い。写真はタントのOEMであるシフォン

 トヨタは高価格車のアルファードやハリアーも好調だが、コンパクトなヤリスやライズの販売台数も多い。

 このように見てくると、スバルは通常では効率のいい商売をしている。スバルの商品企画担当者は「スバルの1店舗当たりの車両販売に基づく売り上げは、日本車ディーラーではレクサスに次いで高いです」という。

 だからこそフルモデルチェンジや改良に基づく販売中断が集中して、対前年比が大きく下がっても、痛手は少ないのだろう。

スバルの販売方法ではユーザーを長期間待たせてしまう

 しかしユーザーを長期間にわたって待たせるのは別の問題だ。

 レヴォーグは前述のとおり、2020年5月に従来型の受注を終えて、8月20日に先行予約を開始した。納車の開始は11月26日以降だから、先行予約で注文したユーザーは、3カ月は待たされてしまう。

 しかも販売店によると、「試乗車の配車は、発売日の11月下旬以降でしょう」というから、8月20日の先行予約開始から11月下旬までの約3カ月は、実車を見られない状態で商談している。

新型レヴォーグは走りの進化とアイサイトXがセールスポイントだが、早期納車のためには、試乗できないというのが矛盾している

 新型レヴォーグのセールスポイントは、「飛躍的に高められた走りの質感」だ。試乗できず、セールスポイントを実感できない状態で商談したり契約するのは、矛盾が伴ってスバルらしい売り方ではない。

 ちなみにマツダも以前は、発売の約3カ月前に、実車のない状態で予約受注を開始していた。しかしMX-30は、予約受注の開始が2020年9月下旬で、10月8日には発売している。

 予約受注の前倒しをやめた理由をマツダの商品企画担当者に尋ねると、「お客様と販売店のためにならないと判断してスケジュールを改めました」と返答した。スバルも試乗した上で、納得して商談できるようにすべきだ。

マツダは発表と発売を意図的にずらすことで、先行予約制により初期受注を稼いできたが、販社、ユーザーともにメリットないのでやめたという

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