■水素タンク追加で航続距離&燃費も向上
●水素タンク
満充填航続距離を伸ばすため、新型MIRAIは水素タンクを1本増やして3本搭載している。水素搭載量は4.6kgから5.6kgに増え、合わせて燃費も10%程度向上させた。
結果、満充填時の航続距離で従来型の「エコランして400km」から「エコランなら600km」程度になったそうな。従来型だと東京~名古屋程度の航続距離だったのが、東京~大阪を無充填で走れるようになるというのだから素晴らしい!
安全性を重視しているため複雑な多重構造&高価なカーボンを大量に使い、長い時間を掛けて生産していた水素タンクも生産性を3倍にしてコストダウンしている。
スタックで作った電力をモーターに伝えるためのインバーターなどはハイブリッド用に近いため、すでに低コスト。もう1世代くらい進化すると電気自動車のコストくらいまで下がってくるかもしれません。
■FCVらしい「空気を浄化する」ギミックも!
●装備
新型MIRAIの開発チームは2つのギミックを用意した。
まず「空気清浄機能」。燃料電池車は走行中に大量の空気を吸って走るのだけれど、その際、スタックに異物が入らないよう徹底的に空気を浄化する。PM2.5を始め、窒素炭化物や硫黄酸化物なども除去。
結果的に吸った時より圧倒的にクリーンな空気を出す。走れば走るほど大気を浄化するということ。新型MIRAIはどのくらいの空気を浄化しているかというメーターまで付けてきた! 今回サーキットを全開で走ったため、ずいぶん空気をキレイにしちゃいました。
もう一つは走行音。新型MIRAI、燃料電池関係の音がまったくしなくなっている。寂しい(笑)ということからスイッチを押すことで走行音を出せるようにした(無音で良いと言う人は標準で走ってください)。
どれどれ、と試してみたら、速度の上昇と共に音が変化していく。せっかくだからもっと大きな音にすればいいのに、とも思うけれど、遠からずお好みの走行音を出せるようになっていくことだろう。こういった演出も次世代のクルマの魅力になっていくかもしれません。
■走りは「クラウンより明らかに上」の質感?
●走り
では試乗といきましょう。エコカーなのに富士のショートサーキットです! Dレンジをセレクトして走り出すと、もう圧倒的な質感だ! 静かで滑らか! レクサス LSを一段と上等にした感じ。
しかも従来型にも言えるコトながら、トヨタの中じゃダントツにダンパーの仕上がりが良い。キチンと動いていて減衰だって出ている。けっこう攻めてみるも、気持ち良く曲がって行く。絶対的なコーナリング速度だって高いです。
乗り心地でセンチュリーに迫り、前後の重量配分”ほぼ”50対50かつ低重心ということもあってハンドングはトヨタのセダンじゃダントツに良い。
ハンドル握りながら考えましたね。従来型MIRAIってトヨタのピラミッドの中に入っていなかったが、新型は明からにクラウンの上! かつてのセルシオやマジェスタのポジションになったように思う。
クラウンだと物足りないトヨタユーザーは(乗り味はレクサスより上級)、水素ステーションのある地域なら新型MIRAIを考えたらいい。絶対満足しますよ。
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