年度末決算を迎える2~3月は新車ディーラーが積極的な“決算セール”を展開する。コロナ禍で新車販売が厳しい状況にあるが、はたして今新車は“買い”といえる状況なのか? 狙い目の車種なども含め、年度末決算セールをガイド!
※本稿は2021年1月のものです
文/小林 敦志、遠藤 徹 写真/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2021年2月26日号
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■下取りやローンが好条件、今年の決算期は狙い目!
●小林敦志…某メーカー系ディーラーでのセールスマンを経験後、新車購入ガイド誌編集長を経て、現在はフリーで活躍する新車販売事情に詳しい自動車ライター
年間で最も新車が売れる年度末セール(2月・3月)がいよいよ本格化する。最低でも1カ月ほどは納期が必要となることから、より確実に実績(登録台数で実績カウントが大原則)にしたいこともあり、年度末セールは2月がメインとなっている。
車両本体価格からの値引きで見ると、以前に比べれば通年で大きな変動は見せなくなっている。ただ、下取り査定額の上乗せや、オプションの無料サービスや値引きなどの販売支援策が充実するので、結果的には年度末セールが年間で最も買い得な時期となるのである。
今期は引き続き“特別低金利ローン”を設定し、囲い込みをはかろうとする動きが目立つものと考えられる。また中古車が新車以上に活発に売れており、下取り査定額も高値傾向が続いている。そのため買い取り専業店への売却も視野に入れ、いま乗っている愛車の有効活用も“カギ”を握ることになりそうだ。
自販連統計によると、2020年(1月から12月)締めでの年間販売台数(含軽統計)は459万8527台となり、前年比88.5%となっているが、偏りはあるものの小売りレベルだけで見れば、2020年秋以降は特に新車の売れゆきはよく、目標販売台数の上方修正を行うディーラーが目立っている。
「実は2020年はここ数年で最も多く新車を販売しました」と語るセールスマンもいた。
販売台数の上方修正は2020年度締め(2020年4月から2021年3月)での販売ノルマでも目立っているようである。バブル期以来の高値がつくほど好調な株式などへの投資で利益を上げた富裕層が高額車両へ、そして感染予防の観点から公共輸送機関を極力使いたくないという人が、軽自動車などの実用車を積極的に購入する動きが目立っているのがその背景にある。
輸入車は以前から、“リセールバリュー”を重視して新車購入を検討する傾向が目立っていたが、ここへきて日本車でもその傾向が顕著となっていてトヨタ車が売れている。それもまた“トヨタ一強”状態を助長するひとつとなっているようである。
(TEXT/小林敦志)
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