■ハイブリッドカー対決
●トヨタ 初代プリウス VS トヨタ 4代目プリウス(現行)
初代プリウスは当時としちゃ圧倒的な先進技術をふんだんに使っていた。
ココだアソコだなんてレベルじゃなく、それまで実用化できていなかったアトキンソンサイクルを使ったエンジンをはじめ、大量生産を前提としたモーター、インバーター、それまで見たこともなかった変速機の役割をする動力分割機構、時期尚早だと言われていた大容量ニッケル水素電池、ブレーキバイワイヤの協調制御ブレーキシステム等々。
世界中の自動車メーカーを驚愕させたことを思い出す。販売台数は思ったより伸びませんでしたが。
現行プリウスを見るとハード的には長足の進化を遂げている。何より素晴らしいのが信頼性と小型化でしょう。
トヨタによればインバーターなど4分の1サイズになったそうな。コストだって大幅減になっていることだろう。初期型で違和感タップリだったブレーキタッチも普通のクルマと同じ感覚で踏める。
何より20km/Lに届かなかった実燃費が余裕で25km/L走れるようになるなど完全に安定した技術になってます。ただクルマとしての魅力は薄れた。初代の勝ちです。
●採点
・20世紀最後(初代プリウス)…進化 1点/対ライバル 10点/インパクト 10点/存在感 10点
・21世紀最新(4代目プリウス)…進化 8点/対ライバル 8点/インパクト 1点/存在感 1点
(TEXT/国沢光宏)
●ホンダ 初代インサイト VS ホンダ 3代目インサイト(現行)
初代インサイトは当時強烈なパワーとなっていたホンダの意地だったと思う。トヨタができてなぜウチじゃできないんだ、ということです。
けれど電池メーカーやデンソーに代表される機器メーカーまでフルに巻き込んで開発したプリウスに対し、ホンダのチーム体制はコンパクトだった。
結果的にプリウスほど本格的な電動化にならず、電池もトヨタと組んでいたパナソニックから安くない価格で買うことになる。
パワーユニットで足りない省燃費技術を車体で補い、プリウスに負けない燃費を実現した。
けれど、すべて無理がありましたね。電池も初期型プリウスは生涯補償したのに、インサイトって有償交換。
現行インサイトを見るとパワーユニットは素晴らしい進化をしている。
ホンダの2モーター式“発電機を積んだ電気自動車”ハイブリッドは、トヨタ方式に勝るとも劣らない効率を持つ。乗るといいクルマです。
ただアメリカを向いたデザインは日本じゃ受けないし、何よりアメリカより圧倒的に高い価格設定。ハードはよくても商品としちゃ厳しい。意地を感じる分、初代の勝ち。
●採点
・20世紀最後(初代インサイト)…進化 1点/対ライバル 5点/インパクト 9点/存在感 8点
・21世紀最新(3代目インサイト)…進化 9点/対ライバル 8点/インパクト 1点/存在感 1点
(TEXT/国沢光宏)
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