■ミニバン対決
●日産 2代目セレナ vs 日産 5代目セレナ(現行)
今や5ナンバーミニバンの販売台数1~2位を争うほどのモデルとなったセレナだが、そこに至るまでの道のりは平坦ではなかった。
1999年デビューの2代目セレナ(C24型)は、日産にとって後輪駆動の“ワンボックス”がFFミニバンに進化した第一世代。初代ステップワゴンのヒットを見て、各社がそれを追いかけ始めた時代に生まれたクルマだ。
しかし、ユーザーニーズを手探りで模索するような開発状況だったため、売れゆきはいまひとつ。2年遅れでFF化したノア/ヴォクシーに完全に、してやられてしまう。
その反省から生まれたのが、3代目以降のセレナだ。前モデルの反省からユーザーニーズを徹底的に調査し、ミニバンユーザーに最も訴求するポイントが車内の広さにあることを確信。そこを最優先したパッケージングでみごと、逆襲に成功する。
5代目となる現行モデル(C27型)は2016年のデビューだが、基本コンセプトは不変。
プロパイロットやe-POWERといった日産得意のアイテムで商品力を強化しつつ、トップ争いを演じる。この対決、現行モデルの勝ちですね。
●採点
・20世紀最後(2代目セレナ)…進化 1点/対ライバル 3点/インパクト 3点/存在感 3点
・21世紀最新(5代目セレナ)…進化 9点/対ライバル 8点/インパクト 6点/存在感 8点
(TEXT/鈴木直也)
●三菱 デリカスペースギア VS 三菱 デリカD:5(現行)
デリカスペースギアがデビューした1994年は、RVブームに沸いた2代目パジェロの全盛期だった。それゆえかデリカスペースギアは、ミニバンとしては異例なことにパジェロをベースとして開発されている。
ラダーフレームとモノコックボディを一体化させたビルトインフレーム構造や、ダブルウィッシュボーン/5リンクコイルのサスペンション、そしてスーパーセレクト4WDの搭載など……、外観はミニバンながら、中身はほとんどクロカン4WD並みといっていい本格派だった。
その後継モデルとなった現行のデリカD:5は、プラットフォームをアウトランダーに変更しているものの、本格オフロード走行も可能というコンセプトは継承している。
ストラット/マルチリンクのサスペンションや、電制カップリング式となった4WDシステムなど、メカニズムはスペースギア時代よりライトになったが、三菱のお家芸である4輪トラクション制御(AWC)は健在。
相変わらず、グラベルをガンガン突っ走れる唯一のミニバンというタイトルを保持している。この対決、スペースギアに優位性あり。
●採点
・20世紀最後(デリカスペースギア)…進化 1点/対ライバル 10点/インパクト 6点/存在感 8点
・21世紀最新(デリカD:5)…進化 2点/対ライバル 10点/インパクト 6点/存在感 8点
(TEXT/鈴木直也)
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