■TEST01 燃費計測コース走ってわかった!
ノートe-POWERとそのライバルたちを、いつもの擬似WLTCモードコースで燃費計測してみた。
今回は最初の市街地セクションが渋滞気味で、ラストの郊外路セクションも交通の流れがあまりよくなかった。そのため、全般的に燃費の数字が伸びていない。
この影響をいちばん受けたのが、前回抜群の燃費を記録したヤリスハイブリッドだ。トップは死守したものの、2位以下との差が詰まってきた印象がある。
ヤリスハイブリッドは、前回郊外路で40km/Lを達成してスタッフを驚かせたが、今回の郊外路は31.2km/L。
高速セクションでは前回越えの28.1km/Lをマークしたものの、全コース平均では28.2km/Lにとどまった。
まぁ、これでも充分に素晴らしい成績なのだが、潜在的なポテンシャルを引き出しきれなかった感はある。
一方、フィットハイブリッドは郊外セクションで前回に肉薄する28.0km/Lをマークし、全コース平均でも23.2km/Lと健闘。
瞬間風速ではなく、実用燃費でいい結果を出すタイプのようだ。
それを象徴するのが、渋滞のひどかった市街地セクションの結果だ。前回テスト比でヤリスは20%ダウンしたが、フィットは13.3%の低下にとどめている。長期的な実用燃費では、カタログ値ほどの差はないかもしれない。
新たに参戦したノートe-POWERは、WLTCカタログ燃費ではフィットを上回る28.4km/Lだが、実燃費ではすべてのセクションでそれを下回った。
セクション別に見ると、やはり高速で燃費が伸びないのが弱点。郊外路セクションではフィットとの差は6%なのに、高速セクションではそれが11%に広がる。
e-POWERはエンジン直結モードを持たない純粋シリーズハイブリッドだから、原理的に高速セクションは不利。エンジンやインバーターの改良で旧型より改善されてはいるが、今後の課題として残る部分だと思う。
今回初テストとなったスイフトのストロングハイブリッドモデルは、高速セクションで健闘したものの全般的にやや物足りない成績に終わった。
このハイブリッドは5速AMTとモーターを組み合わせたスズキ独自のメカニズムだが、ドライバビリティや燃費が期待値に届いていない。
もう一台持っていったスイフトのマイルドハイブリッド仕様と比較すれば、確かに全セクションでそれを上回ってはいるのだが、20万円の価格差を考えると「マイルドハイブリッドでいいや」になる可能性が大。
ソリオはモデルチェンジでストロングハイブリッドがカタログから落ちたが、スイフトも同じ運命をたどるのかもしれませんね。
(TEXT/鈴木直也)
■TEST02 コンパクトカーはユーティリティが重要だ!
後席が最も広いのはフィット。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2.5個分になる。
この余裕はミドルサイズセダンと同等。後席の座面も470mmと長く、テストした5車では最も快適に座れる。
2位はノート。先代型の後席はフィットと同等の膝先空間を確保したが、新型はホイールベースを20mm短くしたから少し狭くなった。
それでも前述の測り方で握りコブシ2個分だから窮屈ではない。座面は柔軟で座り心地もよい。
3位はヤリスで、4名乗車は可能だが、後席は窮屈に感じる。ノートに比べて明らかに狭い。座り心地は適度に柔軟だ。4位はスイフト。後席の膝先空間はヤリスと同等だが、座り心地が少し硬く順位も下がった。
次は荷室を比較。奥ゆき寸法はマイルドハイブリッドのスイフトRSが最長だが、荷室開口下端部の地上高は、フィットの630mmが最も低い。
燃料タンクを前席の下に搭載した効果で、荷物を高い位置まで持ち上げる必要もない。フィットは後席を床面へ沈ませるように畳むので、2名乗車時には大容量の荷室になる。荷室の1位もフィットだ。
荷室の2位はノート。荷室幅は1250mmで最も広く、スーツケースを横に並べて積む時などは都合がよい。3位は荷室奥ゆきが最も長いスイフトRS、4位はヤリス、5位はストロングハイブリッドのスイフトSZだ。
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