高齢者の運転というと、昨今は逆走・踏み間違いなどネガティブなイメージが付いて回るようになってしまった。だが、できることなら多くの人になるべく長く、何よりも安全に運転を楽しんでほしい。
そこで今回は、安全運転寿命を伸ばすクルマ選びと、事故を起こさない運転のためのポイントを伝授してみたい。
指南してくれるのは、先日『安全運転寿命を延ばすレッスン』(小学館)を上梓した自動車評論家、レーシングドライバー、そして僧侶と3つのカオを持つ松田秀士氏。
選んでもらった「安全運転寿命を伸ばす国産車5台」は、全てSUVから選出。果たしてそのココロは?
※本稿は2021年5月のものです
文/松田秀士 写真/ベストカー編集部 撮影/西尾タクト
初出:『ベストカー』2021年6月26日号
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■松田秀士がオススメ 安全運転寿命を伸ばす国産車5台
ボクがお薦めする「安全運転寿命を伸ばす国産車5台」を挙げてみよう。
もちろん、ここに挙げた5台以外にもあるけれども、代表例ということで参考にしてほしい。その選考理由だがご覧のようにすべてSUVだ。
SUVを選んだ理由は流行りということもあるけれども、一番の理由はアイポイントが高いということ。
加齢とともに老視(老眼)になってゆく。なかには乱視など、これまでには感じなかった視力の低下に悩んだりするもの。
見ることに対する脳内のフィルター(アプリケーションみたいなもの)が劣化してきている、とボクは考えている。
したがって情報量が多くなるよう視界のいいクルマに乗るべき、と考えるのだ。
だからといってスポーツモデルを否定するワケでもないが、低いクルマに乗る時には注意したい。
それは夜間走行での対向車のライト。最近のクルマのライトはLED化などにより幻惑されることが多い。
これはSUVを薦める理由のひとつでもある。ドイツでも社会問題化しつつあり、その対策として幻惑されにくいメガネレンズも販売されている(ZEISSなど)。
ほかにもADAS(運転支援機能)を搭載していることも重要だ。
特にACC(アダプティブクルーズコントロール)とLKA(レーンキープアシスト)を装備していること。
高速道路移動では前車との車間を取り、車線内の中央を維持して走るよう無意識のうちに各操作を行っている。
この操作が支援されることで大幅に疲労を低減することができる。遠出の帰路など、ACC全車速対応のシステムなら渋滞も苦にならない。
さらに付け加えるならHUD(ヘッドアップディスプレイ)を装備したい。NAVIやメーターパネルを確認するたびに眼は遠近の調整を行う。これが疲労に繋がってくるのだ。
HUDは焦点距離2m以上に設定されていて、ドライバーの眼精疲労(同時に脳の疲労でもある)を低減してくれる。
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