大雪に備えよ!! 冬用タイヤ、雪道ドライブへの準備は万全ですか!?

■「M+S」表示は冬用タイヤではない!!

 SUV用タイヤなどではサイドウオールに「M+S」と表示されたタイヤが多い。MUD&SNOWを意味し、泥濘路や雪道に対応するタイヤ、という意味で、これが誤解を招くのだが、「M+S」の表示には雪道走行性能などに対する公的に明確な基準があるわけではなく、トレッドパターンや構造などからタイヤメーカーが自主的に表示しているものなのだ。そのため、SUV用のオールテレーンタイヤ(A/T)などは冬用タイヤとして使用することはできないので、重々お気を付けいただきたい。

 国内で販売されるオールシーズンタイヤは「M+S」表示に加え、「スノーフレークマーク」と呼ばれる表示がサイドウオールに刻印されているものがほとんどだ。尖った山岳の中央に雪の結晶を模したマークがそれだ。

「M+S」表示には雪上走行に対する明確な基準があるわけではない。その左に記されているのが「スノーフレークマーク」で、こちらは厳格な雪上走行性能の基準をクリアした証となる
「M+S」表示には雪上走行に対する明確な基準があるわけではない。その左に記されているのが「スノーフレークマーク」で、こちらは厳格な雪上走行性能の基準をクリアした証となる

 このスノーフレークマークは、アメリカの第三者機関「米国試験材料協会」が厳しい雪上性能の基準をクリアしたタイヤに付与するもので、冬用タイヤとしての一定基準を保証する証となる。日本国内の「冬用タイヤ規制」の場合、スタッドレスタイヤでなくとも、このスノーフレークマークの付与されたオールシーズンタイヤであれば通行可能となる。ただし前述のように、凍結などより厳しい路面コンディションが予測され区場合、スタッドレスタイヤを装着し、さらにタイヤチェーンを携行することが安心だ。

■タイヤチェーンは事前の装着練習を!!

 スタッドレスタイヤを装着していても、目的地への最後のアプローチの坂道の雪が深く、タイヤチェーンの装着が必要になった、というケースも多い。現地で初めてチェーン装着をする、というのは極めて困難。タイヤ周辺には雪が詰まっており、汚れも凄い。車外は氷点下で手がかじかむ。このような状況で、初めてのチェーン装着など、まずできないと思ったほうがいい。

 最低限、出発前に着脱をスムーズにできるよう練習しておくことだ。軍手や袖口の汚れを防ぐアームカバーなどの必要性も、この練習でわかるはずだ。現地のチェーン着脱エリアは除雪されていることが多いが、大雪が降っていれば路面に雪が積もっているだろうし、路面は濡れている。そこにしゃがみこんで、場合によっては膝をついての作業となる。ブルーシートなどを敷いて作業するといい。そんな準備も必要だ。

チェーン装着は事前にしっかりと練習しておきたい
チェーン装着は事前にしっかりと練習しておきたい

■備えて空振りだったらラッキー!!

 ここまで備えて、「たいした雪ではなかったよ~」ということになるかもしれない。それならそれで「よかった」ではないか。備えなしで大雪に挑んで、立ち往生の先頭車両になる……、くらいならまだいいが、交通量の少ない山間部で遭難などということにでもなったら命にかかわる。そのような場所は、携帯電話がつながらない場所だったりする。

 充分な備えをして、安全確保を意識して、それでも危険な天候状況であれば引き返すことも考えて、年末年始のドライブ、事故のないことを願っています。

年末年始は大寒波、大雪の予報が出ている。充分な備えをして、安全に過ごして頂きたいです
年末年始は大寒波、大雪の予報が出ている。充分な備えをして、安全に過ごして頂きたいです
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