クルマ好きならば、一度はレカロシートなど、クルマに装着されるシートをオフィスでも使いたいと思ったことがあるのではないだろうか。
なかでもこのシートは別格だ。このフェラーリオーナー向けチェアのお値段はなんと409万円と、高級車並みのお値段。いったいどんなオフィスチェアなんだろうか?
文/ベストカー編集部
写真/ベストカー編集部
初出/ベストカー2018年8月26日号
■フェラーリ488ピスタをイメージ!

2018年の年内限定でポルトローナ・フラウより発売された「コクピット ピスタ」。価格は税込み409万円!(左の写真が正面、右が背面の写真)。ニュルブルクリンクシルバーの二重線で囲まれたアメリカンブルーの帯のカラーマークを、カーボンファイバー製背もたれ背面の中央部に採用。シートのペレ・フラウレザーには、アルカンターラグレーの中央ストリップが付いている。またスピード感のある装飾として中央ストリップに沿って特殊な微小穿孔が施されている
あの「フェラーリ」と高級家具ブランドとして有名な「ポルトローナ・フラウ」という、イタリアンブランドがタッグを組んだオフィスチェアの限定仕様モデル『コクピット ピスタ』が6月30日から発売されているのをご存じだろうか?
スーパーカーのスポーツシートのような精悍さと美しさを併せ持つデザインのキャスター付きオフィスチェアである。実にカッコいい!
が、注目はそのお値段で、なんと409万円! リリースによると「まったく新しい人間工学を採用した、従来の常識を超えるオフィスチェア」とのことだが、その値段も一般庶民の常識を超えている。まさにフェラーリ仕様のオフィスチェアなのだ。
もともと「コクピット」というオフィスチェアは、長年にわたりフェラーリの内装を手がけてきたポルトローナ・フラウが、昨年のフェラーリ創業70周年を記念して、昨年4月に発表したもの。
企画とデザインはラ・フェラーリ・アペルタや812スーパーファストなど最新フェラーリの数々を手がけているフェラーリのデザインチーム。素材はフェラーリのシートと同じものを使用し、回転のメカニズムにはステアリングと同じデザインと構造が採用されている。
その限定仕様モデルとして発売されたのが今回の『コクピット ピスタ』で、今年のジュネーブショーで発表されたフェラーリのV8最新モデル、488ピスタをイメージした限定デザインや装飾が施されている。
とはいえ、409万円という〝いい〟クルマが買えるほど高価なこの椅子をいったいどんなお客さんが買うのか? コクピット ピスタを扱う総合インテリア販売の大塚家具に聞いたところ、想定しているユーザーは「フェラーリオーナー」だという。フェラーリに乗る会社経営者などが、主な顧客なのだろう。
2018年8月20日時点で、ポルトローナ・フラウ東京青山店に問い合わせたが、展示はしていないが、まだ販売中とのこと。

既存のコクピットシリーズのプレジデントは経営者をユーザーとして想定したモデルです。カーレース用マシンの人間工学性能を応用した高い背もたれが、上半身をしっかりとサポート。価格は249万円

エグゼクティブはあらゆるタイプの作業に対応できるようにデザインされたモデルで、身体を自由に動かせるように低く幅の狭い背もたれを採用している。価格は186万円
■400万円前後で今オススメの国産車トップ3
ただ、やっぱり一般庶民の感覚で400万円といえばクルマが買える価格。国産車なら約20車種から選ぶことができる。ということで、400万円前後で今オススメの国産車トップ3を渡辺陽一郎氏に選んでもらった。
では、約400万円でお薦めしたい日本車のトップ3を挙げていきましょう。
1位は、トヨタハイエースワゴン・グランドキャビン4WD(391万680円)。フェラーリの椅子は1脚だが、ハイエースワゴンなら少し安い価格で乗車定員は10倍の10名だ! しかも広い車内と2.7Lエンジン、上質なシャシーによってどこでも快適に出かけられる。
2位は日産フェアレディZヘリテージエディション(408万240円/6MT)。イエローのボディにブラックのデカールが入った外観は、超絶的にカッコいい。日本の下町のフェラーリというか、このデザインはクルマ好きオジサンをときめかせる。
3位はレヴォーグ2.0STIスポーツアイサイト(405万円)。運転席の座り心地は上質で、フェラーリのオフィスチェアにも負けないかも? ピュアレッドのボディカラーなら、フェラーリ的な雰囲気も少しは味わえそう。
このように400万円となれば、選択肢が広がって上級車種も選べる。庶民には高価な椅子よりお買い得感あり。