いよいよ「自動運転バス」が現実味!? EVバッテリーは充電から交換へ?? クルマ界近未来ニュース3選

■中国でのバッテリーはもう交換が当たり前!

 世界最大の電池メーカー中国のCATLが、バッテリー交換ビジネスに参入したという話題を過去に取り上げたが、電池を充電せずに交換してしまおうという発想は、中国では当たり前になりつつある。

 EVが急速に普及した中国では都市部の充電インフラに長蛇の列ができ、例えば個人でトラックやタクシーを走らせる零細事業者などは、深夜の充電に寝る時間を削られるありさま。こうした現実がバッテリー交換ビジネスを加速させているようだ。

 3月からCATLが始めたのは、電動建機のバッテリー交換実験。巨大な電動トラックなどは途方もない容量のバッテリーを搭載しているため、充電時間も乗用車の比ではない。

 ある意味バッテリー交換が最も望まれる乗り物と言えるわけで、CATLはバッテリー交換設備を鉱山や建設現場などに広く普及させていく狙いだ。

 新規参入も続いている。2月には小鵬汽車(シャオペンモーターズ)がバッテリー交換を行う子会社を設立したと話題となった。同社はこれまで急速充電設備の普及に力を入れていただけに、大きな転換だ。

 ちなみにバッテリー交換ができるクルマはバッテリー抜きで販売されるため、車両価格が安くなるというメリットもあるようだ。

 一方、日本でのバッテリー交換事業は話題に乏しい。「今日の中国は明日の日本」のような気がするのだが……。

■金より高いパラジウム クルマの触媒が作れず

 コロナ禍や半導体の不足などによって、新車が思うように作れない事態が続いているが、今度はウクライナ危機による資源不足が起きつつある。問題はパラジウムだ。

 パラジウムとは、化学の周期表で46番目に出てくる白金族の元素。自己の体積の935倍もの水素を吸収できることから水素吸蔵合金として欠かせない物質なのだが、現在はもっぱらガソリン車の触媒に用いられている。

 このパラジウムの採掘地は、およそ4割をロシアが占める。そのため今回の戦禍でロシア産パラジウムの流通が制限されると、ガソリン車の触媒が作れないという深刻な事態に陥るのだ。

 その不安を反映するかのようにパラジウムは値上がりを続け、3月9日には過去最高値となる1gあたり1万3700円台を付けた。もはやプラチナも金も抜き、世界一高価な鉱物のひとつになってしまったのだ。

 実を言うと、パラジウムの相場は2018年頃から値上がり傾向にあった。

 当時起きた、いわゆるディーゼルゲート事件によってディーゼル車が敬遠され、ガソリン車やハイブリッド車の需要が高まったことが主たる要因だが、今回のウクライナ危機はその相場をダメ押し的に上げてしまった感がある。平和の訪れを切実に待ちたい。

■そのほかの近未来系ニュースを20秒チェック!

●電動化や自動運転には多額の資金が必要だが、その確保のために、VWがポルシェを上場させるようだ。

 ポルシェAGの親会社はVWだが、さらにVWの上にはポルシェ家とピエヒ家の資産を管理するポルシェSEという持ち株会社がある。今回上場するのは事業会社のポルシェAGのほう。上場した際の時価総額は11兆円とも言われ、フェラーリの5兆円を大きく凌ぐ。ポルシェファンは株を買っといてもいいかも。

●スマホのようにEVを作ろうという鴻海(フォックスコン)のプラットフォーム事業「MIH」によって作られた電動バス「モデルT」が、台湾の高雄市に初めて納車された。年内に合わせて30台を納車し、台湾内の旅客輸送に使われる。

 モデルTは調達部品の65%以上にMIH協力メーカーのものを用いて、台湾の裕隆(ユーロン)汽車が製造した。出力260kWのモーターを積み、最大320kmの走行が可能だという。価格は非公開ながら、圧倒的な低価格を実現していると言われ、今後BYDなどをおびやかす存在となるかもしれない。

●各国のEVの販売シェアが軒並み2桁に達した。欧州では、水力の豊かなノルウェーの65%は別格としても、ドイツが14%、イギリスが11%、フランスが10%といった具合。中国も11%に達したし、米カリフォルニアも9.5%を記録している。

 この勢いはウクライナ危機によってさらに伸びそうだが、日本はたったの0.6%。魅力的な新車に期待したい。

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