本誌『ベストカー』にて、毎号技術系の最新情報や気になる話題をお届けしている「近未来新聞」。
今回は成立間近となった改正道路交通法、中国のEVで当たり前になりつつあるバッテリー交換、ロシアのウクライナ侵攻によるパラジウム高騰などの話題をお届けします!
※本稿は2022年3月のものです
文/角田伸幸、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年4月26日号『近未来新聞』より
■レベル4自動運転も認可 改正道交法で何が変わる??
2022年3月4日、道路交通法改正案が閣議決定された。予定どおり進めば現在開催中の通常国会で成立(4月 国会を通過)し、年内には施行される。そのポイントをまとめておこう。
まず知っておきたいのは、レベル4自動運転を道交法として初めて規定したことだ。
これは主に過疎地などでのバス運用を想定したもの。サービスを行いたい事業者は公安委員会による許可を受け、「特定自動運行主任者」という人物を置いて運行を担う。
主任者は遠隔監視で複数台の車両を走らせられるが、万一事故が起きた際は現場へ急行するなど、ドライバーと同様の義務を負うことになる。おそらく福井県永平寺町で進んでいる実証実験が、認可第1号のサービスとなるだろう。
電動キックボードに代表される超小型モビリティの規定も盛り込まれた。これらは「特定小型原動機付自転車」という新たな乗り物となり、最高時速が20km以下なら免許なしで乗れるようになった(ただし16歳以上に限る)。
超小型モビリティには物流サービスが使う無人配送ロボットも含まれており、これらは最高時速を6kmまで抑えることで歩道走行が可能になる。運行ルートの届け出や歩行者優先義務といった規定はあるが、小さなロボットが荷物を配達する日が近づいた。
マイナンバーカードの普及を狙って、運転免許証との一体化も認められる。マイナンバーカードが提示できれば運転免許証の携帯が不要になるわけだが、同時に交通違反キップを携帯端末から自動作成する仕組みも採用されるらしい。取り締まりの効率アップが進むようでは、喜んでばかりもいられない。
そのほかにも、5台以上の車両を有する事業所に運転前後のドライバーの酒気帯びチェックが義務付けられたりしている。
新要素を多く盛り込んだ今回の改正だが、とにかく無事の船出を祈りたい。
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