■スズキスイフトスポーツ 183万6000円(6速MT)/90点
●1.4L、直4ターボ:140ps/23.4kgm、車重:970kg
もはや200万円以下で買えるホットハッチとして、定番中の定番がスイフトスポーツ。もはや日本の宝だといっていい。
140ps/23.4kgmと、ちょっと非力かなと思うかもしれないが、ワインディングに繰り出すと、このパワフル感は、まさにカタログ数値以上のおもしろさ!
体感的にはノートe-POWER NISMO S以上のパワフルさ。6速MTを駆使して、ターボのブーストをキープしつつ、シフト&ダウンを繰り返すおもしろさは、古典的だが、走りが楽しいとはこのことだと、運転していてニヤけてしまうほどなのだった。
■日産ノートe-POWER NISMO S 267万1920円/ 85点
●1.2L、直3:83ps/10.5kgm、モーター:136ps/32.6kgm、車重1250kg
ワンペダルドライビングの楽しさで人気沸騰のノートe‐POWERだが、日産はNISMOモデルとしてスポーツ性を高めた109ps/25.9kgmの1.2L+モーターを搭載するノートe-power NISMOを登場させた。さらにその上をいくのが、2018年9月25日に発売したノートe-POWER NISMO Sだ。
基本コンセプトは「セレナ用に強化したエンジン/モーターをノートe‐POWERに移植したらおもしろいのでは?」という発想だ。
セレナe‐POWERのエンジンは84ps/10.5kgm、モーターが136ps/32.6kgmというスペックに強化されている。発電専用のエンジンはわずか5psプラスだが、モーターの出力/トルクは25%も増加。基本的に同じモーターとインバーターを使いながら、制御特性の見直しでこんなパワーアップが可能なのが電動パワートレーンのユニークなところだ。
このパワートレインがそっくりそのままノートe-POWER NISMO Sに搭載されているのだが、実際に走ってみると、25%アップのトルクはさすがに強烈だ。
NISMO Sの最大トルクは32.6kgmだ。このトルク感を味わうのにオススメなのが、NISMO Sで追加された2つのドライブモードだ。標準e‐POWERではBレンジはノーマルモードでのみ作動するが、NISMO SはSモードとECOモードでもBレンジが使える。
このうち、SモードのBレンジで走ると、ワインディングがより楽しくなる。このモードではレスポンス重視のモーター制御が行われ、一瞬のアクセルONに対する反応がビビッド。
クルマ全体の反応が活性化したような感覚はハンドリングにも影響を与えていて、コーナー立ち上がりでのアクセルによるライン修正など、よりアグレッシブな走りにいざなう魅力がある。
もちろん、いまどきのクルマらしくコントロール性も上々で、パワーオンでアンダーステアは強まるものの、昔のFFスポーツのようにフロントがダーッと逃げていくような乱れはない。
これクルマこそが「現代の羊を皮を被ったEVの狼」と言いたい! ただ250万円オーバーという価格がタマに傷! でも、ひとつ下、248万8320円のノートe-POWER NISMOより、ぜんぜんいい。
モータートルクを制御するパワーコントローラー (PCU)がタイヤのグリップ限界を理解しているかのようでパワフルだけど誰もがコントロールできる安全で扱いやすい特性にまとめ上げられているの だ。
電動パワートレーンが優れているのは、こういった制御がじつに緻密かつ効率的にできること。まだ試していないが、ECOモー ドのBレンジは雪道などに最適なコントロール性を重視したモードで、こういう風にさまざまなドライブモードを造り込めるのも電動パワートレーンならではのおもしろさと実感した。
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