東京都はデジタルの力で、都民が質の高い生活を送る「スマート東京」の実現を目指している。ベイエリアはその先行実施エリアの一つ。そのメニューのひとつ、次世代モビリティは2023年1月28日に一般公開されているが、それに先立った26日に東京都知事が出席しセレモニーが行われた。
編集・文:古川智規(バスマガジン編集部)
■デジタルイノベーションシティプロジェクトとは?
臨海副都心では「デジタルテクノロジーの実装」と「スタートアップの集積」を推進する「ベイエリア Digital Innovation City」(DIC)に向けた取組を進めている。
具体的には、5Gの通信網やデータプラットフォームなど、臨海副都心のまち全体を先端技術のショーケースとする環境整備を進め、スタートアップが開発するデジタルなど先端技術を実証し、まちの企業等がその先端技術を実装させる、実証と実装を循環するまちの仕組みづくりを進める。
特に、このまちの特色であるライブ・エンタメをはじめ、先端技術で新たなまちの魅力を創出する。
東京都及びDigital Innovation City協議会(以下、DIC協議会)は、WILLERほかと協働し、同関連団体が研究開発を進める4つのモビリティの体験イベント「未来を乗りにおいでよ。次世代モビリティのまち体験」を開催中だ。すべてのプロジェクトが2023年1月28日に一般公開された。
開催セレモニーに出席した小池東京都知事は、今回のプロジェクトについて「次世代モビリティを実装する事で、まちの賑わいや回遊性の向上を図るとともに、年齢や障害の有無を問わず、誰もが安心して自由に移動できる、持続可能なまちを目指していま す」と本イベント開催における想いや狙いを話した。
■AIスーツケースから自動運転バスまで
本プロジェクトでは様々な先端技術が詰まった実証実験が行われる。AIスーツケースはゴロゴロと転がすスーツケースが音声で道案内をし、さらに自立して動き歩行者を導く。また「PARTNER MOBILITY ONE」は、横に座るおなじみのベンチがそのまま動き出す。
もちろん自動運転なので座った人が運転するわけではなく横向きに座ったままで移動することができる。主にテーマパーク等での移動を想定しているようだ。
もちろん自動運転のEVバスもこれらの技術を活用したものだが、普通のバスのように走れるようになるまでにはまだ相当の時間を要するものと思われる。
しかし運転速度やダイヤの問題は置いておいて、自動で公道を走ることができるという点においてはすでに実用段階に来ており、今後のさらなる技術革新に期待したいところだ。
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