■スマホのバッテリーと同様、クルマのバッテリーも消耗品なのか?
バッテリーは使用していくうちに、能力が低下していく。スマホのバッテリーなどと同じように、充放電を繰り返すと充放電できる容量が減っていってしまうのだ。
したがって定期的に交換することを勧めているディーラーや整備工場も多い。そう、タイヤやブレーキパッドと同じく、バッテリーも消耗品なのである。
バッテリーの電気を蓄える能力が低下していくと、始動時にバッテリーの電力に余裕がなくなってくる。特に冬季など気温が下がってくると、バッテリーの電圧が下がってしまうこともあって、始動時セルモーターの回る勢いが鈍くなることがある。こうなると要注意だ。そろそろバッテリーの寿命が近いというサインだからだ。
バッテリーは容量やタイプによって様々な種類があり、それぞれ価格も異なる。軽自動車用など容量の小さいものは5000円くらいからあるが、大容量なタイプや高性能なものは2万円を超えるものも。輸入車用やアイドリングストップ車用、車種専用など特殊なものは高めになる。
専用品はディーラーで交換するしかないだろうが、汎用品であればカー用品店や一般の整備工場でも交換できる車種は多い。
ただし最近のクルマは電装品が複雑に連携しており、バッテリー交換も診断機を接続して行なう車種もあるので、ディーラーに相談するなど、事前に調べてから交換することだ。
前述のようにエンジンを始動させるセルモーターは、大電流を必要とする。そのため頻繁にセルモーターを使うアイドリングストップ車は、セルモーターの機構が十分に耐久性を考慮しているモノとなっているだけでなく、繰り返しの充放電に強い特性とされている。
ハイブリッド車でなくても、減速時に発電機の負荷を高めてなるべく多く発電するような制御をしているクルマも多い。こういったメリハリのある充電にも対応するには、やはり専用のバッテリーが必要だ。
■メンテナンスフリーバッテリーなら交換不要?
補水不要のバッテリーはメンテナンスフリーと有利だが反面、補水ができないことで確実に寿命は来るので、どちらが良いとは一概には決められない。
定期的に交換するなら補水不要のメンテナンスフリーバッテリーのほうが手間が掛からない分、日常的にバッテリー上がりの不安から解消されるのでオススメだ。
補水不要のバッテリーでも化学反応で水素ガスは発生するが、上部のカバー部分に外部の空気と触れて水蒸気に還元するためのスペースがあり、結露して水になって再びバッテリーセルに還元されるため、バッテリー液の減りが少ないのだ。
また同じく補水不要なバッテリーには、バッテリー液を特殊なマットに含侵させたり、ゲル化しているドライタイプもある。
ちなみに前述のキャンピングカー用のサブバッテリーは、完全に放電してしまってから充電を繰り返してもダメージの少ないディープサイクルという特性になっている。
このタイプのバッテリーを車載用に用いることもできるが、同じ能力なら割高なので、どちらを選ぶかは一長一短といったところ。
競技用のバッテリーとして近年はリチウムイオンバッテリーを使った超小型軽量の車載バッテリーもある。こちらを通常の車載用として使うこともできるが、当然のことながら鉛酸バッテリーの数倍という価格になってしまうため、公道で使用するのは費用対効果としてはあまり高くないのが現実というところだ。
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