クルマと道路は切っても切り離せないもの。だから全ドライバーはもっと道路について知っておかねばならない。自動車評論家でありながら、交通ジャーナリストでもある清水草一が、毎回、最新の道路情報や、知っておくべき道路の知識をわかりやすく解説する当コーナー。今回は、いよいよ始まったお盆渋滞にについて詳しくレポートしていく。
文/清水草一、写真/フォッケウルフ
■2023年お盆渋滞の傾向を読み解く
間もなくお盆渋滞の期間に突入する。今年のお盆渋滞は、下り線が11日(祝)を頂点に13日にかけて、上り線が13日を頂点に15日(火)にかけて激化すると予想されている。
今年はコロナ明けということで、GWもひどい渋滞が予想されていたが、フタを開けたらコロナ前の19年よりも軽微だった。交通集中期の渋滞は、年々分散傾向が強まっている。今年のお盆も、かつてに比べれば、それほどひどい渋滞にはならない可能性が高いと見ていいだろう。
NEXCO各社が発表する渋滞予測では、最大渋滞長の長い順に「ひどい渋滞」という扱いになるが、実際の渋滞は、長さよりも通過所要時間のほうが重要だ。
たとえば8月11日(金・祝日)の下り渋滞は、東北道、東名、中央道で、ともに最大45kmの渋滞が予測されているが、予想される通過所要時間は、片側3車線の東北道と東名が1時間50分なのに対して、片側2車線の中央道は2時間15分と差がある。
同じ11日の東京湾アクアラインは、渋滞長はわずか16kmながら、首都高湾岸線東京方面からの所要時間は最大2時間15分と、中央道の45km渋滞と変わらない。アクアライン下りの渋滞は、渋滞途中でも割込みも多発するうえに、川崎浮島JCTで3方向からの合流があるため、速度が極端に低下し、精神的ストレスが非常に大きい。注意が必要だ。
さらに、同じ8月11日の名神下り山科バス停付近(片側2車線)を先頭にした渋滞は、渋滞長30kmながら、通過に2時間30分と予想されている。実質的にはこちらが「下り渋滞のチャンピオン」である。
上り渋滞では、8月13日の東名綾瀬SC付近を先頭にした渋滞が45kmで最大となっているが、通過所要時間は、同じ13日の中央道小仏トンネル付近先頭の渋滞のほうが長い。通過所要時間は、路線ごとに特性が違うので、注意する必要がある。
コメント
コメントの使い方どこもかしこも毎年このネタだもんなぁ。笑