スズキの軽バン、エブリイが仕様変更で大幅性能アップ!
2019年6月17日に行われた仕様変更でエブリイの自動ブレーキが劇的な性能向上を果たした。これに加え、軽バンでは初となる超音波センサーを使った「後退時ブレーキサポート」を設定。バック時も自動ブレーキが作動するようになった。
軽商用車といえば、乗用車と比べて自動ブレーキの搭載で出遅れているイメージが強いが、軽トラックや軽バンは走行距離が多く、高齢者のユーザーも多い。乗用車以上に自動ブレーキの必要性は高い。
そこで、本稿では軽自動車だけでなく、登録車も含めて商用車の自動ブレーキ搭載状況を調査。果たして“働く車”には、どれくらいの車種に、どの程度の自動ブレーキが付いている?
文:永田恵一
写真:SUZUKI、編集部、TOYOTA
軽トラは未装着車も!! 軽商用車自動ブレーキの現状は?
■軽ボンネットバン
軽ボンネットバンはダイハツ ミライースのBグレード(4ナンバーではないが、軽ボンネットバンとしての使用を想定したグレード)とスズキ アルトバンが該当し、どちらも自動ブレーキが設定される。
ミライースは性能自体は高くないものの、昼間なら歩行者も検知するステレオカメラを使う「SA III」、アルトバンが30km/hで作動を停止するうえに歩行者非対応のレーザーレーダーを使う「レーダーブレーキサポート」ということで、ミラシースの圧勝だ。
■軽1BOXバン
ダイハツ ハイゼットカーゴ兄弟(トヨタ ピクシスバン、スバル サンバーバンがOEM)、スズキ エブリイ兄弟(日産 NV100クリッパー、マツダ スクラムバン、三菱 ミニキャブバンがOEM)、三菱 ミニキャブミーヴが該当する軽1BOXバンは、ミニキャブミーヴ以外自律自動ブレーキが設定される。
このなかで高性能なのはエブリイ兄弟だ。エブリイの自律自動ブレーキは仕様変更で、夜間の歩行者にも対応するステレオカメラを使った「デュアルカメラブレーキサポート」に変更。
商用車というジャンルを超えて日本で販売される車全体で見ても平均水準を大きく上回る性能を持つ。
■乗用車ベースの軽1BOXバン
まだ新しいこのジャンルは、ホンダN-VANとダイハツハイゼットキャディが該当し、どちらも自律自動ブレーキは設定されている。
性能は、ミリ波レーダーと単眼カメラを用い、夜間の歩行者の対応を含め日本でトップクラスの「ホンダセンシング」を使うN-VANの圧勝だ。
なおN-VANのホンダセンシングには30km/hで作動する先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール、LKAS(レーンキープアシストシステム)という軽自動車とは思えない運転支援機能も含まれている。
■軽トラック
軽トラックで自動ブレーキが付くのは、ステレオカメラを使い、トラック用にチューニングされた「SA IIIt」を設定するダイハツ ハイゼットトラック兄弟(トヨタ ピクシストラック、スバル サンバートラックがOEM)のみ。
スズキ キャリイ兄弟(日産NT100クリッパー、マツダスクラムトラック、三菱ミニキャブトラック)とホンダ アクティには設定すらない。
ただ、スズキ キャリイ兄弟にはソナーを情報源に使った前後の誤発進抑制機能が設定されおり、エブリイに高性能な自律自動ブレーキが付いたのを期に、キャリイ兄弟にも早期にエブリイと同じ自律自動ブレーキの設定されるのを期待したい。
コメント
コメントの使い方