【酷暑と電化でバッテリー上がり急増中!!!】寿命を延ばすコツとトラブル回避術

メンテナンスフリーバッテリーのメンテナンスは一切不要ではない

 「MF(メンテナンスフリー)バッテリー」の普及によって「メンテはいっさい不要」と勘違いしている人が多い。しかも、新車時の初回車検が3年に延長されて以降、バッテリーの寿命は目に見えて向上。

 2年だった保証期間を3年に伸ばす必要が生じたことが、その一因と思われるが、近年のバッテリーは丁寧に扱えば5~6年は使えるため定期的な交換も怠りがち。

 「MFバッテリー」は液の減少が押さえられているだけで、定期的なチェックが必須であることに変わりはない。

 ベストなコンディションを維持するためにはメンテナンスが必要不可欠なわけで、距離を走ればチェックも必要となってくる。点検や交換を怠っていると痛い目にあうので注意!

最近急増中のアイドリングストップ車専用バッテリーの対策は?

■バッテリーの保証期間
一般補水タイプ/2年2万km
メンテナンスフリー/3年6万km
ハイスペックタイプ/3年10万km、3年無制限
アイドリングストップ専用/18ヵ月または3万km、24ヵ月または4万km

※バッテリーにはさまざまな種類があるため、上記は目安としてください

 アイドリングストップとは、信号待ちや停車時にエンジンを停止するシステムのことで、このシステムを搭載しているアイドリングストップ車は燃費向上、CO2削減に有効なことはご承知のとおり。

 その反面、エンジン停止中はバッテリーからナビやエアコンなどに電力が供給されるため、走行中に発電機から短時間で電力を蓄える必要性がある。

 このため、通常のバッテリーと比較して頻繁に充電と放電を繰り返すため大きな負担が掛かる。このため、アイドリングストップ車には高い耐久性と、充電・放電性能が必要となるのだ。

 アイドリングストップ車のバッテリーは過酷な使用条件に耐えるよう、部品の耐久性と性能ランクは普通のバッテリー以上に高められており、エンジン始動と停止を繰り返すので、バッテリーの率容量が大きいのが特徴。

 内部抵抗を少なくすることで、従来のバッテリーよりも多くの電流を流すことができる。

 また、蓄えられた電力量が足りないときはアイドリングストップをしなかったり、停止中でも充電を優先するなど、普通のクルマのバッテリー以上に充電回復性能が高められている。

 しかし、通常バッテリーのハイスペックタイプやメンテナンスバッテリーに比べると、 アイドリングストップ専用バッテリーの寿命は18ヵ月(1年6カ月)または3万km、高性能タイプで24ヵ月(2年)または4万kmと短いのがタマに傷。

 しかもアイドリングストップ車のバッテリー交換費用は、普通のバッテリーの2倍の価格、軽自動車で8000~1万5000円、大型車では2万~3万円程度の費用がかかる。

 では、自分のクルマに装着されているバッテリーが通常のバッテリーか、アイドリングストップ専用バッテリーなのか、見分けるにはどうすればばいいか?

 実は通常のバッテリーとの外観上の差はない。そのため、バッテリーのサイズ表記で見分けるしかないのだ。

■65D23R(通常のバッテリー)
65:性能ランクと呼ばれ、バッテリーの総合性能を数字で表記。50未満は2刻み、50以上は5刻み。容量ではないが、数字が大きくなるほど高性能で容量、始動性能とも上がる
D:バッテリーの短側面のサイズでA~Hまであり、Aが最小、Hが最大
23:バッテリーの箱の長辺の寸法で単位はcm
R:バッテリーのプラス端子を手前にした時に上から見てプラス端子が右側にあるとR、左側にあるとLとなる。特殊端子は無表記

 それに対し、アイドリングストップに対応した専用バッテリーは、一般のバッテリーと区別するために新たな型式表示が規定された。

■Q-55R(アイドリングストップ専用バッテリー)
Q:バッテリーの短側面サイズで、Qは一般バッテリーのD23に相当。アルファベットがまったく違うので要注意
55:性能ランクで、一般バッテリー同様に大きくなるほど高性能
R:端子の位置に関しては一般バッテリーと同じだが、Lの場合は無表記になるので要注意

 アイドリングストップ車対応バッテリーの表記方法は簡素化されているが、短側面のサイズ表記、端子表記が一般バッテリーと違うため注意が必要だ。

 さて、このアイドリングストップ車専用バッテリーを長持ちさせるにはどうしたらいいか?

「せっかく燃費向上させるのに解除して走るのは本末転倒」と思われるかもしれないが、アイドリングストップを解除するのが最も有効だ。

 信号待ちでもバッテリーに充電させることができるからだ。特に大渋滞時には効果を発揮する。もちろん、信号や渋滞のない道路を長距離走ることも好ましい。

 また、2週間に1回程度、少なくとも1カ月に1回程度はフル充電することで電池の劣化を防ぐことができる。

次ページは : 万が一バッテリーが上がってしまった場合

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