毎日新車ディーラーを回って「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。
今回はホンダ N-BOXのマイナーチェンジ、スバル インプレッサスポーツ/G4の大幅改良…などなど、これから注目のマイナーチェンジ、特別仕様車情報をぎゅっと凝縮。
また以前お伝えし大きな注目を集めた「ハリアー消滅!?」についての続報もお届け!!!
※本稿は2019年8月のものです
文:遠藤 徹/写真:SUBARU、HONDA、TOYOTA、SUZUKI、NISSANベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年9月10日号
■ホンダ N-BOX 10月にマイナーチェンジ
ホンダはN-BOXを10月にマイナーチェンジします。内外装のデザイン変更、新グレード&ボディカラーの設定に加えて、シートヒーターの標準装備、先進安全装備「ホンダセンシング」を新型N-WGNと同レベルの最新バージョン採用の改良が実施される予定です。
最強ライバルのダイハツタントがフルモデルチェンジして追い上げ体制にあることから、N-BOXも商品ラインナップを強化して引き続きトップセラーモデルの維持を図る構えです。

■インプレッサがマイナーチェンジ。8月27日から受注開始
スバルはインプレッサ(スポーツ&G4)をマイナーチェンジし、8月27日から受注を開始しています。


今回の改良は、内外装のデザイン変更と2L水平対向エンジン+モーターアシストを搭載する「eボクサー」モデルの設定、高速道路での運転支援システム「アイサイト・ツーリングアシスト」の標準装備車設定などが主な内容です。
なお、2Lモデルを先行発売し、1.6Lモデルは年末あたりから遅れて投入することになる予定です。
従来モデルは7月いっぱいでオーダーストップし、在庫一掃セールに入っています。
■ハリアーは次期型で上級へシフト、RAV4と差別化へ
トヨタはハリアーを来夏にフルモデルチェンジしますが、その際、サイズアップし上級シフトすることで現行型RAV4とのコンセプト分けをより明確化する方針です。
現行モデルではハリアーのほうがよりハイクオリティな作りとし、2WD車が中心の販売構成で、シティ感覚のSUV仕立てとなっています。

これに対して4月に登場したRAV4はラフロード走行色を強めた4WD主体のコンセプトでアピールしています。しかしながら、実際は同じクラスのSUVでほぼ同一のパワートレーンを搭載し、価格差は平均で約20万円の差に過ぎません。
こうしたことから来夏にフルモデルチェンジする際、ハリアーをサイズ&クオリティアップさせ、上級シフトすることによりコンセプト分けを明確にするのです。3.5Lのラグジュアリークラスのグレードを設定する可能性もあります。
2020年5月にトヨタの販売店は全系列店併売になり、両モデルとも全国規模で完全に同一店舗で扱われ、一部競合の懸念が生じていることから、さらなる明確なコンセプト分けが必要になっているといった事情もありそうです。
■(画像ギャラリー)夏以降要注目のクルマたちをチェック!!!
■ホンダ 新型N-WGNが販売好調。納期は10月以降に
ホンダが7月18日にフルモデルチェンジしたN-WGNが好調な販売推移を見せています。月販目標を7000台に設定したのに対し、7月下旬現在の納期は2カ月強待ちの10月上旬になっています。

推定バックオーダーは2万台近くであり、増産しだいで月販1万台乗せの可能性も出てきました。
8月には競合するダイハツムーヴやスズキワゴンRを抜いて、同クラスのトップセラーモデルに浮上する見通しです。
■10月1日トヨタ クラウンに特別仕様車を設定
トヨタは10月1日、クラウンに特別仕様車「スポーツスタイル」を設定、発売します。

7月に発売した特別仕様車「エレガンススタイル」に次いで発売されるモデルで、Sタイプをベースにブラック系シート表皮、18インチアルミホイールなどを採用します。エンジンは2.5Lハイブリッド、2Lターボを搭載します。8月下旬から事前予約をスタートさせます。
■シエンタにアウトドアテイストの特別仕様車を設定
トヨタは10月4日、シエンタにアウトドアテイストの特別仕様車を設定します。
2列&3列シート仕様の最上級グレードGをベースに、専用の内外装カラーリング、アルミホイールなどを装備した仕様になる予定です。

ホンダは10月18日にフリードをマイナーチェンジし、同時にSUVテイストの「クロス」を設定して発売しますが、このライバルの動きに対抗させる狙いもありそうで、これら追加モデルが今後マーケットでどのような評価を得るか注目されます。
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■トヨタ マークXの生産打ち切りが秒読みに
トヨタはエスティマとマークXについて年内に生産中止の意向を販売店に伝えています。

このうちマークXにつては、納期は10月下旬以降ですが、まだ正確な生産終了の期日を明らかにされていません。
なお、年内でモデル廃止する場合、10月中のオーダーストップが有力です。
●まだ買えるかも!? じつは復活するかも!? 最新記事「【まだ買える!! しかも販売好調!!】絶版確定マークX最終仕様の復活可能性」はこちらから。

●すでにオーダーストップしてしまったエスティマ。現場の悲痛な叫びはこちら。
■ジムニー/ジムニーシエラの納期は依然長期間。流通形態の複雑さも影響か?
スズキが2018年7月に発売したジムニー/ジムニーシエラの納期が、1年経過しても1年以上待ちと引き続き長期にわたっている状況が続いています。それだけ人気が高く、バックオーダーが多いため解消できていないといえるのですが、スズキ独自の流通上の問題も指摘されます。

スズキは正規代理店のネットとしてスズキ店、スズキアリーナ店があり、その下に比較的大きな副代理店、さらに一般業者の業販店があり、それぞれがユーザーに新車を売っています。
メーカーから仕入れるのは正規店が窓口になっているのですが、末端の副代理店や業販店は人気の高いジムニー/ジムニーシエラをユーザーに可能な限り早く届けたいために、ユーザーが決まっていなくても自社名義で発注するケースがあります。
これによって納期がさらに長引いている要因になっているとの見方もあるのです。
今年4月以降、それまでの50%増にあたる月販3000台規模まで増産していますが、コンピュータ上での納期確定がまだ正確にできない状態が続いているようです。
■ジュークの販売は激減で末期状態?(追記あり)
ここに来て、日産ジュークの売れゆきが激減しています。6月の登録台数はわずか181台で、前年同期比55.5%減と半減しているのです。
ここまで少なくなっていると一般向けにはほとんど売れていないことになります。それでも販売店では通常のオーダーができる状態で、メーカーから生産中止はまだ伝えられていないというのです。

次期型については欧州で日産がティザーイメージを公開して9月の発表を予告していますが、販売店筋では新しい情報がないのが現状です。
SUV全盛の時代ですが、ジュークだけが取り残された寂しい状況に置かれているのは残念です。
(編集部追記)…このあとお伝えした記事の通り、残念ながら日本仕様・e-POWERの発表は現状となったジューク。その詳細はこちらから。
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